奥州・金ケ崎

消毒用アルコール製造 20日から一般販売 岩手銘醸【奥州】

岩手銘醸が製造している消毒用の「岩手誉アルコール77」

 新型コロナウイルスの感染拡大で消毒液が不足する中、奥州市前沢字新町の岩手銘醸(及川啓子代表取締役)は消毒用の「岩手誉アルコール77」を製造する。造り酒屋ならではの技術・設備を生かした製品を予防に役立ててもらおうとの考えで、近隣市町への寄贈を経て20日から一般販売する。

 不足を聞き付け、国税局が消毒液不足を補うため特例的に出しているスピリッツの製造免許を4月30日に取得。同社玉の春工場(一関市千厩町千厩字北方)で原料用アルコールを使用して製造を始めた。

 製品はアルコール度数77度で殺菌効果が高く、手荒れ緩和のため食品用グリセリンを添加。手指用の噴霧ボトルに詰め替えてのほか、布などに吹き付けて拭くことで物の消毒にも使用できる。飲用不可で、ボトルには転売防止のためのシリアルナンバーが入る。

 1日に300ミリリットル瓶で820本を製造でき、初日製造分は18~20日に主要営業エリアの4市町に寄贈。奥州市に105本、一関市に100本、金ケ崎、平泉両町に各40本を贈り、必要な医療・福祉施設に届けてもらう。残りを同社本社と、玉の春工場で一般販売する。

 今後は工場当たりの生産量に制限のないアルコール度数65度のタイプも製造し、卸売りや一般小売り向けに展開する。

 コロナ禍で地元の春まつりなどが中止となって打撃を受け、持続化給付金の利用も進める中で取り組む事業。及川順也専務取締役(33)は「酒造りのコメも全て地元産に切り替えるなど、支えられてきた地域のためにできることを考えた。市内でも当社にできることなので決心がついた。本当に困っている人の予防に役立てたい」と語る。

 一般的な市販ボトルでの噴霧回数は約500回で、税抜き900円。問い合わせは同社=0197(56)3131=へ。

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