一関・平泉

幸福色 ブータンのボタン 花と泉の公園で開花【一関】

花と泉の公園で開花した希少なボタン「ピオニア・ルテア・バラエティー」

 一関市花泉町老松の花と泉の公園の希少なボタン「ピオニア・ルテア・バラエティー」が17日、開花した。ブータンに自生するボタンで、スタッフによると国内で栽培しているのは同園のみという。同園は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で31日まで閉園措置を取るなど苦しい状況が続いており、スタッフは「幸せの国」から届けられた花が同園に福を呼び込んでくれることを願っている。

 ピオニア・ルテア・バラエティーは、10年ほど前に日本ぼたん協会から寄贈された。寄贈当時に勤めていたスタッフがいなくなり、数年前から名前などは不明となっていたが、同協会が2018年に同園で総会を開催した際に協会関係者が発見し、希少品種であることが判明した。

 花びらは鮮やかな黄色で、他のボタンに比べて小ぶり。「ハイヌーン」の原種に当たるとされる。見頃は21日ごろまで続く見込み。年々枝の高さは低くなってきているが、毎年4~5輪の花を付けるという。

 新型コロナのため、今季の「ぼたん・しゃくやく祭り」は中止。園内のボタンも摘蕾(てきらい)されたが、ピオニア・ルテア・バラエティーだけはつぼみを残していた。

 同園を運営する花泉観光開発の阿部敏明代表取締役は「全国のボタン園や協会から開花した画像を送ってほしいという要望がある」と話す。

 佐藤幸貴牡丹(ぼたん)管理主任は「海外の原種は育てるのが難しい。無事に育っているのは、岩手という寒い気候が花に合っていたのかもしれない」と推測する。株分けをして数を増やす計画で「通常のボタンなら接ぎ木をして増やすが、どの方法がいいかはまだ検討中。まずは種を採取して育ててみて、数を増やしていきたい」と意気込んでいる。

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