医療体制の確保必要 18道県知事緊急提言 感染防止と経済両立で【岩手】
本県の達増拓也知事を含む18道県の知事らは21日、日本記者クラブのテレビ会議を通じて会見を行い、新型コロナウイルスの対策について、国への緊急提言の内容を発表した。政府の緊急事態宣言解除後の経済・社会活動を早期に正常化に戻すため、PCR検査拡大や感染防止対策を踏まえた安全な医療体制の確保が必要とし、国に新たな戦略と法令整備を求めている。
テレビ会議形式の会見には湯崎英彦広島県知事をはじめ、大井川和彦茨城県知事、達増知事、大村秀章愛知県知事、鈴木英敬三重県知事の5人が出席。
緊急提言は湯崎知事や大井川知事が中心となって呼び掛けて取りまとめ、13日に国に提出した。内容は▽積極的感染拡大防止戦略への転換▽PCR検査体制の早急な整備▽治療・療養のための施設確保▽積極的疫学調査徹底のための体制整備▽適切な目標設定と段階的な検査の拡大―の5項目を掲げている。
達増知事は医療体制の確保について、医師不足や医師偏在の本県で、院内感染が発生した場合は地域医療の崩壊につながりかねないと訴えた。その上で「安全な医療体制の確保は感染未確認の本県にとっても喫緊の課題となっている。PCRや抗体、抗原の検査の拡充が医療現場を守ることに必要。介護、福祉の現場でも、喫緊の課題として検査体制の拡充が大事だ」と強調した。
感染防止対策と社会経済活動の両立については「感染拡大防止策を徹底すれば、経済・社会活動に取り組んでもいい。そういうことも踏まえ、新しい生活様式の世界に岩手県としては積極的に入っていきたいということで今回の提言に賛同している」と述べた。