一関・平泉

賢治推奨米 東山で再び 山崎さん継承に意欲 陸羽132号作付け【一関】

陸羽132号の苗を植えた山崎さん(右)ら

 本県出身の詩人で童話作家の宮沢賢治(1896~1933年)が推奨していた水稲品種「陸羽132号」の作付けが、賢治と関わりが深い一関市東山町で復活した。近年同品種を栽培している市内の寺院から苗の提供を受け、3日に田植えを行った同町松川の山崎司朗さん(71)は、東山での賢治推奨米の継承に意欲を見せている。

 陸羽132号は、冷害に強い「陸羽20号」と良食味の「亀の尾4号」を交配させ、21(大正10)年に秋田県の農事試験場陸羽支場で育成。日本の人工交配品種の先駆けとされる。冷害に強い品種として着目していた賢治は、旧東北砕石工場(同市東山町)の技師時代にも東北の農家に奨励していたという。

 29(昭和4)年から52年までの24年間は、東北地方で作付面積トップにもなっており、系統はその後流通された「コシヒカリ」「ササニシキ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」などの主要品種に受け継がれている。

 東山での作付けが実現したのは、藤源寺(同市藤沢町)の佐藤良規住職から苗の提供を受けたことがきっかけ。2017年6月に宮沢賢治詩碑「まづもろともに」建立70年記念事業を東山で実施した際、佐藤住職が陸羽132号をイベントに出演した谷川俊太郎さん、賢作さん親子に届けた経緯がある。

 その後、記念事業の実行委員長だった山崎さんが東山の石と賢治のミュージアム(菅原淳館長)を通じて苗の提供を申し出、佐藤住職が快諾した。

 同日の田植えは、山崎さんが所有する同市東山町松川地内の圃場(ほじょう)0・3アールで実施。山崎さんと菅原館長ら同ミュージアムスタッフの計4人が苗を植え付けた。

 山崎さんは15年までは陸羽132号を栽培していたが、育苗施設がなくなったことで16年以降は断念。今回苗の提供を受けたことで5年ぶりに作付けた。育苗のめども付いたことで、21年は今年以上の作付けを目指すという。

 菅原館長は「佐藤住職の厚意で東山での作付けが復活できた」と感謝。山崎さんも佐藤住職へ謝意を示した上で「かつては作付面積東北一を誇っていた品種。賢治ゆかりの東山で陸羽132号の栽培を続けていきたい」と語っている。

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