一関・平泉

伝統支える絹糸に 一関地方産繭出荷

今年最初の出荷に向けて繭の状態を確かめる生産者ら

 一関地方の2020年産繭が1日、初出荷された。一関市弥栄の繭集出荷施設で作業が行われ、養蚕農家が今年最初となる春蚕繭計653・4キロを山形県の製糸工場に発送。繭から紡いだ糸は、京都の織物、染色業者を経て純国産着物として製品化される。

 同施設にはJAいわて平泉養蚕部会に所属する農家7戸のうち春蚕に取り組んだ5戸6人が集まり、生産者それぞれが持ち寄った繭を選繭(せんけん)台に広げて選別。汚れ、傷の有無や変形していないかなどを確認した。

 汚れや傷などがあった場合は取り除き、同JA職員が重量を計測した後、袋詰めされた繭がトランクの荷台に積み込まれた。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止による活動自粛などでさまざまな影響が出ている中、佐藤盛部会長(72)は「繭は大きくて形もそろっており、まずまずの出来だ。新型コロナの影響で世の中は大変だが、今年も良質の繭を提供していきたい」と語っていた。

 同JAでは管内の養蚕農家7戸が、10月半ばまでの計5回で前年の3064キロを上回る3200キロの出荷を目指している。

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