北上・西和賀

交通事故現場 課題探る 多発の県道交差点を点検【北上】

1人が重体、5人が重軽傷を負った交通事故現場を点検する関係者。北上市道(手前)と金ケ崎町道(奥)、県道(中央)が交差し、両市町道では交通量が増加している

 北上市相去町七里地内の県道交差点で大型ダンプとデイサービス送迎用の乗用車が衝突し90代男性が重体、5人が重軽傷を負った事故を受け、北上、奥州両署と道路管理者の県、同市、金ケ崎町は16日、現場点検を行った。現場の交差点には信号機がなく近年、事故が多発しており、路上に「止まれ」や新たなラインを引くなどの対応を確認。地元からは信号機設置の要望も出ており、今後の検討課題とした。

 現場は両市町境で県道久田笹長線と市道、町道が交差。事故は2日午後に発生し、市道を南進中の大型ダンプが県道を東進中の乗用車と衝突した。市道側、町道側に一時停止の標識があり、ダンプが安全確認を怠った可能性もある。

 付近では、町道が2016年度に拡幅整備が完了。市道と町道は東側の国道4号の補完路として北上南部工業団地と岩手中部工業団地への通勤や出入りの関係車両などで近年、朝夕を中心に交通量が増加している。北上、奥州両署によるとこの交差点では人身、物損事故合わせて17年に4件、18年5件、19年に7件、20年は6月末までに4件発生。3年半で20件に上る。

 特に北上の市道側からの見通しは悪く、今回の事故を受け市は路面に「止まれ」を記した「イメージハンプ」を施す。県南広域振興局土木部はセンターラインを引き直すほか、一時停止標識付近に左右確認を促す「ドットライン」を引く。町道側には既にイメージハンプや外灯がある。

 金ケ崎の地元住民からも以前、奥州署に信号機設置の要望が出され県公安委員会に上申されたが、交通量が設置基準に満たず具体化されなかった。今回の事故を受け北上の地元住民からも信号機設置の要望が北上署に出されており、同署は交通量を調査した上で県公安委の上申を検討する。

 北上署の菊池朗好交通課長は「今後も道路管理者の県や両市町と事故防止へ連携を強化したい。ドライバーにも信号機や標識の有無にかかわらず、交差点を通る際は安全確認を徹底してほしい」と話している。

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