奥州・金ケ崎

VLBI観測所 基礎科学研究継続を 国にオンライン要望 奥州市と市議会

国立天文台水沢VLBI観測所の活動継続に関する要望をオンラインで文部科学省に対して行う小沢奥州市長(右から2人目)と小野寺市議会議長

 奥州市と市議会は連名で4日、文部科学省に対して「国立天文台水沢VLBI観測所の活動継続に関する要望」を行った。新型コロナウイルス感染症の影響で、同市では初めてとなるオンライン要望の形式を取って実施。小沢昌記市長、小野寺隆夫市議会議長は、同観測所(同市水沢)が安定的かつ継続的に基礎科学の研究活動に邁進(まいしん)できる環境整備への配慮を同省に対し求めた。

 要望は小沢市長、小野寺議長がオンライン会議システムを用いて市役所から行い、同省側は青山周平文部科学大臣政務官が応対。冒頭を除き、非公開で懇談した。

 要望書は、同観測所が国際緯度観測事業に参加し、国際観測網の一翼を担ったほか、ブラックホール撮影に大きな貢献を果たすなど、基礎科学研究の拠点の一つであることに加え、多くの市民が誇りとするなくてはならない施設と明記。VERAプロジェクトの超長基線電波干渉計(VLBI)アンテナの2021年以降の運用見通しが立っていないことについて、今後の国際共同研究にも影響することを懸念し、同市で基礎科学の研究活動が今後も継続されることを切望している。

 懇談後、岩手日日新聞社などの取材に応じた小沢市長は「観測所が天文学で中心的な役割を果たしていただけるようお願いし、基礎科学全体の予算を削減しないよう強く訴えた」と発言。小沢市長によると、青山政務官からは日本の発展における基礎科学の重要性に対する理解、これを守るための努力姿勢などが示されたという。

 また、小野寺議長は「われわれの気持ちはしっかり伝わっていると思っている」と語っていた。

 市と市議会ではこのほか、同日までに本県選出の国会議員7人にも同様の要望書を送付。今後も本県選出や科学技術関係に造詣のある国会議員に対する働き掛けを続けていく考えだ。

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