花巻

冥福祈り、恒久平和誓う 花巻市 戦没者追悼式

花巻空襲や戦禍で犠牲になった人々の冥福と平和を祈って献花する参列者

 花巻空襲から75年目の10日、花巻市の2020年度戦没者追悼・平和祈念式が同市松園町の日居城野運動公園中央広場で行われた。参列した遺族らが、48人が亡くなった花巻空襲をはじめ戦争で犠牲になった戦没者の冥福を祈り、平和への誓いを新たにした。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して行われ、参列者は例年の10分の1程度の約50人にとどめた。

 戦没者の冥福を祈る黙祷(もくとう)の後、上田東一市長が「昭和からわが国で戦争のなかった平成、令和と時が移り、先の大戦が遠い昔の時代に感じられるようになった。遺族の方々は最愛の肉親を亡くし、時を経ても決して癒やされることのない、深い悲しみを胸に幾多の苦難を乗り越え、今日に至ったことに対し深く敬意を表する。戦禍の犠牲となった多くのみ霊に心より哀悼の誠をささげる」と式辞。

 小原雅道市議会議長と大和一信市遺族連絡会長が追悼の言葉を述べ、終戦から75年の節目を迎えるに当たり不戦と恒久平和を誓った。

 上田市長の献花に続き、参列者が白菊やユリなどを祭壇を供え、静かに手を合わせた。参列した同市吹張町の橋本新一さん(87)は、1945年8月10日の花巻空襲を体験。「家にあった掘っただけの穴に隠れていたが、強烈な爆風で家が吹き飛ばされた。けがもなく、家族は外出していて無事だった。建物が消え、周りの人が亡くなり悔しい。あの惨劇は繰り返してはいけない」と話した。

 市は毎年、花巻空襲のあった日に合わせて式典を行っている。

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