北上・西和賀

クマ目撃情報急増 墓石なぎ倒される被害も 新平地区【北上】

墓石が荒らされた新平地区の墓地。ハチが巣を作った骨壺の穴を狙ったクマの仕業とみられている=3日

 北上市内では7月以降、クマの目撃情報が急増している。このうち同市新平地区では、8月に入って民家庭先の木に親子とみられるクマがよじ登っている様子が目撃されたり、墓に巣を作ったハチの蜜を食べようとしたのか墓石がなぎ倒される被害が発生。お盆の帰省に当たり新平自治会(多田政俊会長)では、回覧を回すなどして地区住民に警戒を呼び掛けている。

 市の10日現在のまとめによると、2020年度に入って市内では人身被害の報告はないものの、138件の目撃情報が寄せられ、既に19年度の年間報告件数を12件上回っている状況。毎年6~8月は頻出期に当たるが、今年度は7月だけで56件寄せられ、05年度以降では2番目の多さとなっている。

 市内中心部から北西側にあり、同市和賀町や花巻市笹間地区との境界に位置する新平地区。

 自治会によると、8月1日正午ごろ、民家の玄関から20メートルほど離れた位置に植えられている高さ3メートルほどのスモモの木に親子とみられるクマが登り、果実を食べているのを家人が目撃。その日の午後10時ごろ、近くの林を歩いているクマを別の人が目撃している。クマが林に潜んでいて暗くなってから逃げたと推測されている。

 2日夕には、墓の掃除に訪れた人から「墓が荒らされ、ハチが周囲を飛んでいる」と通報があり、多田会長(67)らが確認に行くと、墓地内にある1カ所の墓石が倒ているのを発見。近づくと、骨壺(つぼ)を収める穴にミツバチの巣が出来ているのを見つけた。「おそらく蜜を求めてクマが墓石をなぎ倒したのだろう」と推測。翌3日に持ち主の許可を得てハチを薬剤で退治し、墓石も元通りに直した。

 この被害を受け6日、地区内に捕獲用のわなが仕掛けられた。多田会長は「今年は例年に比べ目撃情報が多く、農作物が食べられる被害はよく聞くがお墓が倒された被害は初めて」と驚き、「公民館や民家の周りを歩いていることが分かったので、地区民は生きた心地がしないだろう。被害に遭ってからでは遅いので、クマが行動する夜間や早朝は十分注意してほしい」と住民に呼び掛ける。

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