奥州・金ケ崎

トマトの恵みに笑顔 収穫体験や菓子提供 特定農業法人上小田代 活動10年初のフェア【奥州】

招待者に栽培する「すずこま」の収穫体験などを催し、活動開始10年の節目を飾った特定農業法人上小田代「すずこま・とまとフェア」

 奥州市江刺田原字蒲道沢の特定農業法人上小田代(伊藤周治代表理事組合長)は6日、法人活動開始10年の節目に初の「すずこま・とまとフェア」を同法人の工房トマトキッチンなどで開催した。新型コロナウイルスの感染予防のため、関係機関・団体や地区民ら招待客のみを対象に4回に分けて実施。同法人で作付けするトマト「すずこま」の収穫体験、地元店がすずこまを使って開発したスイーツなどでもてなし、招待客を喜ばせた。

 同日は法人活動に協力、貢献してきた関係機関・団体、地区民・法人組合員の家族ら招待客を1時間ごとにグループ分けして実施。同工房前ではすずこまの加工品、鍋料理などの提供、販売が行われた。

▲上小田代生産のすずこまを使って開発されたゼリーを試食する招待客

 このうち、「パティスリー パルファン」(同市江刺杉ノ町)のシェフ・パティシエ菊地光昭さんが、すずこまを材料に手掛けたゼリー(同店で販売、要事前問い合わせ)は、招待客にも好評。齋藤和博さん(65)=金ケ崎町西根=は「おいしかった。さっぱりしていて、食べやすい」と語った。

 また、工房近くのハウスではすずこまの収穫体験が催され、招待客は赤く熟した実を次々と摘み取った。齋藤さんの妻みさ保さん(60)は、袋いっぱいのすずこまを抱えて「トマトの香りがすごい。サラダやスープにしたり、ピザに入れたりして食べたい」と笑顔をのぞかせた。

 同法人は、2001年に設けた上小田代営農組合を基盤に、農業経営の多角化に取り組むため、10年3月に農事組合法人として設立し、14年に特定農業法人。現在水稲、大豆、キュウリ、トマトを生産する。中山間地域総合整備事業を導入した圃場(ほじょう)整備を進めているほか、高収益野菜(キュウリ)の導入、加工トマトのすずこまへの品種切り替えとトマトピューレといった加工品開発、販売など6次産業化の取り組みにも力を入れている。

 フェアは自分たちの拠点で活動の実態を知ってもらう機会として企画。今回は新型コロナ感染防止のための対策を取り、来場者を限定したが、今後の継続開催も視野に入れている。

 伊藤代表理事組合長(70)は「山間地でこれだけやってこれたのは行政、JAなどの応援があったから」と節目を迎えられたことに感謝。「持続できる農業、地域を未来永劫(えいごう)守りたい。土台は固まってきたので、直すところは直し、後継者が事業をやっていける形にしていきたい」と決意を語っていた。

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