北上・西和賀

クマの毛皮に興味津々 児童が特徴、生態学ぶ 笠松小で防除対策出前授業【北上】

ツキノワグマの毛皮の感触を確かめる笠松小の児童ら

 ツキノワグマ防除対策出前授業は17日、北上市和賀町の笠松小学校(瀧野澤公美校長、児童83人)で開かれ、児童がクマの特徴や生態について学び、備えの知識に理解を深めた。

 近年、ツキノワグマの出没が増加傾向にあることから人身被害を回避しようと、県南広域振興局花巻保健福祉環境センターが主催。8月の和賀西小に続く今回の出前授業には、笠松小の3、4年生が参加した。

 講師を努めた岩手大農学部森林科学科の山内貴義准教授が、「ツキノワグマのくらしと人との関わり」をテーマに講話。クマの種類や国内分布、身体的特徴、冬眠期といった1年の生活サイクルなどをクイズを交えながら説明した。

 森でクマに遭遇した場合は「死んだふりや走って逃げる、木に登るのではなく、静かに後ずさりするのが正解」と山内准教授。クマとの共存には▽一人で山に行かない▽鈴などでアピールする▽ごみを捨てない▽草刈りをして見通しをよくする―といった必要性を示し、「地域のみんなで対策をしていくことが大事になる」と呼び掛けた。

 児童たちはクマの毛皮や骨などに触れながら、その存在を実感した様子。「子グマは時速何キロで走るの」「クマは何歳まで生きられる」「冬眠する穴は大きいのか」「クマの色がいろいろあるのはなぜ」と盛んに質問を投げ掛けていた。

 同センター環境衛生課によると、今年8月末の県内のクマ目撃件数は2492件で、前年に比べ100件以上増えた。市内では157件あり、前年同期の1・5倍ほど確認されている。

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