一関・平泉

観光栗園 あす復活 虫害回復し9年ぶり 花泉・金沢 住民協力で環境整備【一関】

19日に営業を開始する一関市花泉町金沢の観光栗園。園内では大きな実がいがから顔をのぞかせている

 2011年から休園となっていた一関市花泉町金沢字長沢地内の観光栗園が、19日に営業を開始する。同園は金沢生産森林組合が管理しており、園内のクリの木にはわせ品種「丹沢」などが大きな実を付けている。同組合は念願の開園を喜び、「暗いニュースが多い中、クリ拾いという楽しい体験を提供したい」とPRしている。

 同組合は1979年度に特用林産振興対策事業の一環としてクリの栽培を開始。長沢地内の山林に3カ所の畑を整備した。広さは合計約21ヘクタールで、「森早稲」「出雲」など8品種1万780本を植栽。収穫したクリは同組合で出荷していたが、97年から観光栗園として営業を始めた。

 年間800~1000人が来場するなど好評を博していたが、2010年ごろから樹木の養分を吸い葉や枝を枯らすカツラマルカイガラムシの被害が広がり収穫量が激減。東日本大震災の影響もあり、11年から休園となっていた。

 12年から営業再開に向けて活動をはじめ、専門機関の指導を受けて薬剤の注入や樹木医の診察、経過観察などを行い、木々の回復を見守ってきた。地元の住民の協力を得て、草刈りも毎年実施するなど環境整備に努めてきた。

 18年に組合員が収穫したクリを地元のトラック市で試験的に販売。今年から大部分のクリの木が回復したと判断し、今季の営業開始を決めた。

 現在残っている木は約5000本だが、同組合によるとクリ拾いができる木は500本ほど。「実を付けるのが少し遅かったが、よく育っている」といい、割れたいがから、丸々とした実が顔をのぞかせている。

 小岩達業務部長理事は「やっとオープンできる」としみじみ。「今年は台風もなく、実も無事だった。トラック市で販売した時はあっという間に売り切れた。開園時期の問い合わせも毎年あり、多くの人が楽しみにしていたのだと思う。無事に最後まで営業したい」と話している。

 時間は午前9時から午後4時まで。開園期間は19~22日で、10月上旬にも開園する予定。期間中でも、天候や収穫状況などにより臨時休園する場合もある。受付で4キロ用(1000円)か2キロ用(500円)の袋を購入して入園する。

 新型コロナウイルス感染予防のため、来園する際はマスクを着用する。手袋、火ばさみなどを持参する。同組合では「山林なので服装は長袖、長ズボンを着用し、長靴が望ましい。林道は狭いので、運転する時はスピードを出し過ぎないでほしい」と呼び掛けている。

 問い合わせは同組合=0191(82)1596=か、小岩業務部長理事=090(7070)4296=へ。

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