花巻

賢治先生の教え継承 花巻農業高で「偲ぶ会」

賢治先生を偲ぶ会で合唱を披露する花巻農高の生徒

 県立花巻農業高校(楳原健校長、生徒309人)の第55回「賢治先生を偲(しの)ぶ会」は23日、花巻市葛の同校で開かれた。同校に在職した宮沢賢治(1896~1933年)の作品の朗読や感想文奉読、合唱、鹿(しし)踊りの演舞などを通じ、在りし日の面影に思いをはせるとともに花農生としての誇りを胸に刻んだ。

 例年は保護者や同窓生、地域住民らを招いていたが、新型コロナウイルスの影響で全校生徒と教職員のみの参加に規模を縮小。精神歌斉唱に続き、藤田優農業クラブ会長(3年)が「自分だけでなく、周囲の人の幸福を大切にしてきたからこそ人の心に届く作品を多く残した。賢治先生の教え、精神を継承し、その誇りを胸に発展していきたい」とささげる言葉を述べた。

 読書感想文奉読では、校内コンクール1学年対象部門で最優秀賞に輝いた阿部悠さんが「銀河鉄道の夜」を題材にした作品を発表。鹿踊部が勇壮に演目を披露したほか、1年生の音楽選択者による「星めぐりの歌」などの合唱、図書・視聴覚委員による朗読劇「植物医師」の上演も行われた。

 賢治は1921(大正10)年12月、同校の前身・稗貫農学校で教壇に立ち、4年4カ月にわたり農業や英語を指導した。偲ぶ会は賢治の功績と精神に理解を深めようと、命日(9月21日)の時期に合わせて毎年開催。半世紀以上にわたって地域に根差した賢治学習活動を続けてきたことが評価され、2020年度の宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞を受けた。

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