一関・平泉

庭に「熱帯植物園」 北国で育つ研究へ情熱 東山・千葉一男さん【一関】

一関市東山町の自宅庭に植えて実を付けたバナナを見上げる千葉一男さん

 一関市東山町に熱帯果樹や多肉植物を庭で育て「熱帯植物園のよう」と話題になっている男性がいる。「他人が育てていない物が面白い」と北国でも育つよう研究や試行錯誤を重ねており、「ここでミカンやレモンが採れれば地域おこしにもつながるのでは」と南国の恵みによる地域の活性化にも夢を膨らませる。

 熱帯果樹やサボテンなどの多肉植物を趣味で育てているのは同町松川字大久保の千葉一男さん(67)。

 千葉さんは若い頃から熱帯植物や観葉植物が好きで、寒い場所でも育てられないかと50年近く前に通信販売で種を購入、自己流でサボテンを育て、多肉植物を栽培するようになった。20年ほど前からは「この辺りではあまり売っていないし、あったとしても(値段が)高い」と熱帯果樹にも挑戦し、自分で建てたガラス温室やビニールハウスで栽培を試みるようになった。

 現在栽培する果物はミカンやレモン、バナナをはじめマスクメロン、パパイヤ、パイナップル、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツなど10種類以上を数える。ハウスで育てているミカンは毎年収穫しており、家族で食べているほか地元老人クラブの会員を招いて収穫体験もしてもらっている。露地で育てているバナナは栽培が難しかったが、今年は花芽が付いて実がなり、10月ごろの収穫を楽しみに待つ。ミカンやサボテンは松川で10月末に開催予定の「どんこ市」にも並べることにしている。

 千葉さんはサラリーマン時代、機械の加工や組み立てなどの仕事に長年携わり、退職後は農業に従事。コメやさまざまな野菜を育てる傍ら、自分で建てたり、改良したりしたガラス温室やビニールハウスを利用して研究や実験を重ね、熱帯果樹やサボテンなどの多肉植物の栽培に励んでいる。

 千葉さんは「この辺でも熱帯の物が育つのは温暖化が影響しているのかもしれない。苗だと育たないが、種から育てると環境に慣れるようなこともあるようだ」と話し、「人が育てていない物を育てたり、普通と違った作り方をしたりするのが面白い。やっぱり難しいものに成功すると満足できる」と新たな植物の栽培にも意欲を見せる。

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