大瀧サウンド「発車」 君は天然色 メロディー放送開始 水沢江刺駅【奥州】
奥州市江刺出身のミュージシャン大瀧詠一さん作曲の「君は天然色」が、1日からJR水沢江刺駅の発車メロディーとして放送されている。初日は放送開始と同駅の開業35周年を祝うセレモニーが行われ、一日駅長を務めた大瀧詠一応援団団長の石川悦哉さん(54)=同市水沢=がメロディーに続いて発車の合図を送った。市民運動の中心となって実現をかなえた石川さんは「感無量」と満面の笑みを見せていた。
大瀧さんの楽曲をゆかりの地の発車メロディーにしようと、1月に応援団、江刺大瀧詠一顕彰会(高橋晋会長)、農商工観光関係団体、羽田地区振興会などが約5000人の署名を集めて市に要望。6月には水沢江刺駅発車メロディー導入実行委員会(会長・小沢昌記市長)を結成し、実現に向けた要望、調整を行い、県内3駅目の導入にこぎ着けた。
初日のセレモニーには、同実行委の関係者、JR東日本盛岡支社の石田亨支社長らJR関係者らが出席。石川さんは午前8時38分発上りはやぶさ106号の発車合図を担当。さびのメロディーを聞き終え、右手を高く掲げて「発車」と声を上げた。
その後、同駅構内の南岩手交流プラザで記念セレモニーが行われ、小沢会長、石田支社長、石川さんが地元の熱意による実現への感激とともに、今後の駅利用への期待を込めてあいさつし、高橋会長が楽曲のエピソードを語った。
石川さんは「発車メロディー実現という願いがかない、さらに子供の頃の夢だった“駅長”にもなった。天にも昇る気分だ。駅の利用促進が進み、地域の新興につながることに期待している」と話していた。
同駅では同日の駅利用者に記念の紅白もち200個を配ったほか、放送開始記念の横断幕を正面入り口側に張り出した。また、同プラザでは、同日から同顕彰会の協力を得てアルバムジャケットや関連資料を集めた記念の展示を行っている。同市によると、年内いっぱいは展示するという。