バス路線・山伏線 リニューアル運行 町民の移動手段確保 西和賀
西和賀町と盛岡市を結ぶバス路線・山伏線のリニューアル運行が2日始まった。バス事業者の路線廃止を受け、町が東日本交通(本社盛岡市)に週3日、1日1往復の運行業務を委託し、通院や買い物などに利用できる町民の移動手段を確保する。新たに同市の県立中央病院も経由する。
同路線については運行していた県交通が利用者の減少や乗務員不足を理由に9月30日で廃止。町は、移動手段を確保するためにバス利用者の意向を踏まえて代替交通の検討を重ね、10月から2021年3月までの実証運行としてリニューアル運行を開始した。
運転手を含め14人乗りの小型バスで、ほっとゆだ駅―盛岡バスセンター間(75・0キロ)を、月、金、土曜日に1往復する。町内の停留所はこれまでとほぼ同じで、湯本下町―湯田小学校間を除きフリー乗降区間となり、乗車時はバスに向かって手を挙げるなどして合図する。町外は病院や商業施設などに限定し、新たに県立中央病院のバス停を経由するなど利用者ニーズに沿ったルートを設定した。
発着時間は通院や買い物の利便性に考慮し、盛岡行きは従来より1時間遅らせ午前7時20分に出発、西和賀行きは1時間30分ほど早め午後2時10分に出発する。運賃は町内区間は従来通り、盛岡市までは1000円を上限とした。
リニューアル運行初日となった2日は、同町のほっとゆだ駅前のバス乗り場などで、町や運行事業者をはじめ、町内各種団体の代表者ら20人余りが出席して出発式が行われた。車両のお披露目に続きバス運転手に花束を贈呈し、関係者が出発を見送った。
細井洋行町長は「新しくなった山伏線がより多くの町民、観光客に利用され、地域活性化にも効果が出ることを願う」とあいさつ。最初の乗客となった同町の会社員髙橋直子さん(47)は術後の通院の移動手段として利用し「これから高齢化に伴い免許返納などで車を運転できなくなる人は多くなる。(路線は)生活の足として残してほしい」と話していた。
町は実証運行の利用状況を踏まえて4月以降の運行を検討する。