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忘れまい 戦争の記憶 盛岡・戦後75年企画展 写真、黒塗り教科書など185点

戦中・戦後の労苦を伝える資料計185点を紹介している3館連携の企画展

 戦後75年の企画展「未来へつなぐ戦中・戦後の記憶」(岩手日日新聞社など後援)は、盛岡市の盛岡市民文化ホール(マリオス)で開かれている。東京都の昭和館、しょうけい館、平和祈念展示資料館の3館が連携し開催。戦中・戦後の生活や兵士の体験が分かる貴重な資料計185点を紹介し、戦争の記憶を伝えている。11日まで。

 本県では初開催で、館ごとにブースが設けられている。戦中・戦後の暮らしに焦点を当てた昭和館では、水沢町(現奥州市)の家族の出征・入隊記念写真をはじめ、遠野市での防空演習の写真、黒塗りの教科書など計94点を展示。戦中の統制下の様子から戦後復興の歩みまで、激動の時代を紹介している。

 戦傷病者資料館のしょうけい館では、砲弾の破片が貫通してレンズが割れた兵士の眼鏡や、実際に使用されていた義手など計36点を展示。兵士が身に着けていた物品を通じ、戦場の凄惨(せいさん)さを感じ取ることができる。

 平和祈念展示資料館では、戦後強制抑留者について、本県関係者の手記を交えて紹介。酷寒のシベリアで重労働を強いられる光景を描いた絵のほか、本県出身の抑留体験者が収容所で着用した作業衣、満足な食事が与えられなかったことが分かる黒パンの小さなかけらなど、労苦を伝える計55点を展示している。

 同館の髙倉大輔学芸員は「今後は戦争体験者も少なくなっていく。若い世代にも展示品を見てもらい、戦時中だけなく、その後も苦しんだ人々がいたことを知ってほしい」と呼び掛けている。

 展示時間は午前10時~午後5時。入場無料。しょうけい館では戦傷病者の関連資料の寄贈も受け付けており、来場者らに協力を呼び掛けている。

 問い合わせは同館=03(3234)7821=まで。

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