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職人技、現場を全国発信 奥州、一関、平泉3市町15業者 あすからオンライン五感市

 奥州、一関、平泉3市町のものづくりの現場をウェブ上で公開する「ON―LINE(オンライン)五感市」(実行委主催)は、30日~11日1日に開かれる。五感市は工場、工房を直接訪れて間近に体験できるイベントとして人気を集めているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴いインターネットを活用。「産密―今だから産地と人は密になれる」をテーマに、職人の技に触れる疑似体験を通じて交流人口の拡大、ファンづくりにつなげる。

 五感市は伝統工芸などの工場、工房を公開するオープンファクトリーとして、県南各企業の魅力を連携して全国発信し、ものづくりのブランド化を目指そうと、2018年から開催。今年も開催を検討する中で、新型コロナの影響が続いていることから、通常通りは厳しいと判断。ウェブ配信によって職人や製品などを紹介することにした。

 参加するのは南部鉄器、岩谷堂箪笥(たんす)、秀衡塗など伝統工芸のほか、酒造、食品加工、染め物、太鼓などの15業者で、工房や製品紹介の動画を配信する。うち7業者は生配信を予定。初日はウェブ会議システム「Zoom」を活用し、オンラインツアーと銘打って実行委関係者らが南部鉄器の工房を見学する様子も生配信する。

 視聴者参加型企画では、各社の動画内で職人が出すキーワードをつなげ、3文字の単語を完成させた応募者に抽選でグッズをプレゼントする「オンラインキーワードラリー」を開催。写真動画共有アプリ・インスタグラムに参加企業の製品を使用している写真を投稿してもらうフォトコンテストも行う。

 各社による動画などは、視聴者参加型企画の応募期間に当たる12月31日まで視聴可能。生配信の日程は五感市のホームページ=https://gokan-ichi.com/online/=で確認できる。

 次回は通常通りの開催を目指すが、今回のオンライン開催のノウハウを生かし、閑散期に当たる冬の情報発信などをさらに充実させる意向で、佐々木優弥実行委員長は「現地に来られなくてもファンを楽しませるのが目標で、こういう状況でも多くの人と結び付きを強めたい。ウェブ上でファンと密になれる機会と捉えて開催する」と語っている。

 参加企業は次の通り。

 【奥州市】及富、及源鋳造、佐秋鋳造所、南部鉄器工房村咲、岩谷堂タンス製作所、菊広

 【一関市】丸三漆器、京屋染物店、小山太鼓店、アーク、世嬉の一酒造、松栄堂、八木澤商店、イーハトーブ東北

 【平泉町】翁知屋

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