北上・西和賀

迅速に誘導、救助 トンネル内事故想定し訓練 秋田道

訓練で車内に閉じ込められた要救助者を救出する救助隊員と救急隊員

 トンネル内の事故を想定した防災総合訓練は28日、西和賀町草井沢の秋田道錦秋湖雪氷基地広場で行われた。NEXCO東日本北上、横手の両管理事務所が主催。消防や警察、道路管理者など岩手、秋田両県から約50人が参加し、避難誘導、負傷者の救助と救急搬送、消火活動、事故車の移動などの手順を確認した。

 秋田道の北上ジャンクションから横手インターチェンジ(IC)間は対面通行で大小12本、延長14・35キロのトンネルがある。さらに外部との出入り口がICに限定され、万が一事故が発生した場合には早期対処が求められるため、関係機関の役割を再確認し、連携強化と技術向上を目的に訓練を実施している。

 訓練は対面通行のトンネル内で4台が関係する多重事故が発生し、負傷した運転手1人が車内に閉じ込められ、救出後に車両から出火したという想定。救急隊が負傷者の状況を確認しながら、救助隊が運転席側のドアを特殊な器具を使ってこじ開け救出、県警高速隊が備え付けの消火器で初期消火、駆け付けた消防隊員が放水活動などを行った。

 錦秋湖サービスエリア下り線仮設ヘリポートを使用した県防災ヘリによる負傷者搬送訓練も行われた。

 北上管理事務所の小野寺希郎所長は「事故が増える降雪期を前に実践的な訓練を行い連携を深めたい」と述べ、県警高速道路交通警察隊の古里正博隊長は「事故はいついかなる時にどんな形態で起きるか分からない。訓練を想定通りで終わらせることなく次に生かしてほしい」と呼び掛けた。 訓練は北上西IC―湯田ICが開通した1997年から毎年実施。24回目となる今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から参加者数を例年の半分にして行われた。

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