大根一本漬け 仕込み最盛期 西和賀産業公社
西和賀町の特産品「大根の一本漬け」作りが、同町上野々の西和賀産業公社加工場で最盛期を迎えている。
大根の一本漬けは、秋に収穫したばかりの県産大根をまるごと一本使用し、昔ながらの技法で漬け込んだ漬け物。乳酸発酵のほどよい酸味と塩味、ぱりぱりとした食感が特長で、かつては各家庭で作られていた。
29日は早朝、町内の契約農家から新鮮な大根が運び込まれた。洗浄機にかけて泥を洗い流し、殺菌して1本1本計量し規格ごとに選別。選別された大根は塩をなじませながら大きなたるに350キロ分がぎっしりと敷き詰められた。
たるの中の大根は少量の塩分でも自重だけで40センチほど沈むという。約40日をかけ、水が上がってきたら重石を外してゆっくり発酵させると、大根の性質を失わない一本漬けが出来上がる。
今シーズンは20日に仕込み作業を開始した。前年は早めに売り切れたため、前年より4000本多い3万4000本の生産を計画。29日までに約半分ほどの漬け込み作業を終え、11月上旬まで作業が続く。
同公社農産物加工場の菊池国博工場長代理は「味が染みこむよう1本1本に塩をすり込んで漬けている。おいしく漬け上がっているか樽から出す時が楽しみだ」と話す。
製品は産直やスーパーなどで販売する。町内では11月20日頃、町外でも11月下旬には店頭に並ぶ予定。5本以上をまとめて購入できるオーナー制による販売も受け付けており、12月18日から順次引き渡しを開始する。問い合わせは同公社=0197(82)2211=へ。