まちづくり“攻略法”は 金ケ崎高でさいころクラス ゲーム通じて解決力養う
ゲームを通して課題解決や地域おこし、コミュニケーションなど幅広い力を育む課外活動「金ケ崎さいころクラス」が、2020年度も金ケ崎町の県立金ケ崎高校で行われている。参加生徒は進路選択やまちづくりにも役立つ“攻略法”を学んでいる。
「さいころクラス」は19年度、生徒にまちづくりや地域振興に興味を持ってもらおうと、同校が町中央生涯教育センター地域づくり推進室に相談して始まった。今年度は青少年人材育成の側面もある町の「金ケ崎ミライラボ」事業と、県の「高校の魅力化促進事業」の連携で開催。8月に始まり、体験期間を経て1、2年生16人が「部員」として参加している。
月3回程度の活動は原則、ゲームとゲスト講師の講話で構成。カードやボードなどを使う対面式のゲームには、課題解決力を養う「ゲーミフィケーション」という学習方法の効果が見込まれる。勝利に運や交渉が絡むゲームも取り入れ、思い通りにいかない状況を克服する知恵や機転を導きたい考え。
講師はゲームのように判断や戦略などを実践してきたプレイヤーとの位置付けで、県内を中心にまちづくりに携わる若者を選定。講話では自身の仕事や経歴などを紹介し、生徒と一緒にゲームに加わる。キャリア教育の効果が見込まれ、進路選択の参考にと足を運ぶ生徒がいるという。
活動では生徒が地域を知るきっかけにしようと、有名ボードゲーム「カタン」の金ケ崎オリジナル版も製作。ボードや駒、カードには、生徒がピックアップした同町の事業所や名所、名物などをデザインした。
今年度6回目の10月29日は、参加者の言葉を記憶するのが鍵となるカードゲーム「ナンジャモンジャ」に挑戦。手作りしてきた「カタン」の駒もほぼ仕上がった。佐々木良太朗さん(2年)は、「対話で進めるゲームに興味があって参加した。予想できない展開があって本当に楽しい。活動を通して金ケ崎のことももっと知りたい」と話していた。
同推進室の松本浩和係長は「2年目に入り、ゲームがまちづくりのトレーニングやキャリア教育に有効だと改めて感じている。速効性は求めず、生徒が活動を振り返った時に選択肢の幅が広がっていてほしい」と展望した。