一関・平泉

女性目線で経営革新 EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 新宮社長(一関・長島製作所)東北代表に

東北地区代表の盾を手に笑顔を見せる新宮社長

 EY JAPANの表彰制度「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2020ジャパン」で、金属部品製造業の長島製作所(本社一関市東台)の新宮由紀子代表取締役社長(47)が東北地区代表に選出された。先見性、リーダーシップのある経営者らをたたえるもので、新宮社長は女性経営者として子育てと両立した経験を基に、社員と向き合ってさまざまな経営革新の取り組みを進めたことが高く評価され、「今までの思いが少し報われた」と喜んでいる。

 同制度は1986年に創設され、より良い社会の構築のために、新たな事業領域に挑戦するアントレプレナー(起業家)の努力と成功をたたえる国際的な表彰制度。アントレプレナー精神や企業価値の増大、経営戦略の方向性など六つの基準に基づき審査される。新宮社長は10月1日に東北地区大会のプレゼンテーションに臨み、見事に代表の座に輝いた。

 プレゼンで新宮社長は父から会社を受け継ぎ、生まれたばかりの子供を育てながら仕事に打ち込んできた日々を振り返り「自分事として体験したこと、苦い経験を未来につなげてはいけないという思いから、女性雇用のための福利厚生、委員会活動などに取り組んだ」と強調。エコ活動や緑化、あいさつ運動など社員一人ひとりに存在意義を持たせるために実施している委員会活動や、「やりづらい」「気を遣う」「イライラする」の「YKI」の作業項目を社員に挙げてもらって改善につなげる取り組みなどを紹介し、審査員から高い評価を受けた。

 東北地区代表に選ばれたことに、新宮社長は「女性が社会に出て両立することは多くの皆さんが想像するよりも苦難な道で、自分の経験を基に女性が働きながら子育てをするために福利厚生を進めてきた。誰よりもつらい思いをしてきたからこそ、良い方向に変えようと努力をしてきたが、女性ならではの経験を経営にリンクさせることができた」と語る。

 今月18日には全国8地区の代表から日本代表を選出するためのインタビューに臨む予定で「東北代表として全国に発信する機会をもらったので、全女性の代表として訴えていきたい」と意欲を示している。

momottoメモ

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