「賢治の白菜」いかが 児童が販売体験 笹間二小【花巻】
花巻市横志田の笹間第二小学校(髙橋正浩校長、児童12人)の全児童は13日、校内の畑で育てた宮沢賢治ゆかりのハクサイを同市轟木の道の駅はなまき西南で販売した。元気のいい声を張り上げ、愛情を込めて育てたハクサイを客に届けた。
同校では、宮城県の松島の島々で取れる現在の「松島系品種」のハクサイが賢治の詩「白菜畑」に出てくる「芝罘(チーフ)白菜」の原型であることに注目。
賢治の農業への思いなどを学ぶ総合的な学習の一環で、毎年松島系のハクサイを栽培・収穫している。例年は学校近くの「イオン農場」で行っているが、新型コロナウイルスの影響で学校農園で育てることになった。
賢治も育てたといわれる「松島純二号」の種を8月にまき、9月に定植。販売当日の朝に収穫した。
金銭の受け渡しがある販売体験は今回が初めてで、1玉200円で50玉を用意。「取れたて新鮮ですよ」「どんな料理にしてもおいしいですよ」と声を合わせて薦めると客も足を止め、30分ほどで売り切れた。一気に5玉を購入する人もいて、子供たちは野菜を育てた喜びをかみしめていた。
3年の髙橋伊織君(8)は「初めて物を売る体験に緊張したけど、自分で成長を見守ったハクサイが完売してうれしい」と満面の笑みを見せていた。
収益の活用方法は未定。