「真のエース論」熱く 元巨人・斎藤雅樹さんトークショー【一関】
プロ野球巨人でエースとして活躍した斎藤雅樹さん(55)を招いたトークショーは14日、一関市山目のベリーノホテル一関で開かれ、現役時代のエピソードや真のエース論をユーモアたっぷりに語った。
斎藤さんは埼玉県の市立川口高卒で、1982年のドラフト会議で1位指名を受けて巨人に入団。2年連続20勝達成を含め最多勝を5回獲得するなど、90年代の巨人投手陣を支え「平成の大エース」と呼ばれた。11試合連続完投勝利などの日本記録を持つ。引退後は巨人のコーチなどを務め、現在は野球解説者として活躍している。
トークショーには約50人が参加。斎藤さんは藤田元司監督(当時)のアドバイスでサイドスローに転向し、飛躍的に成長した経緯を紹介。「ノミの心臓」「気が弱い」などとやゆされて1軍に定着できていなかった際、藤田氏から「君は気が弱いのではなく、優しいのだ。だが優しいだけでなく、厳しくいかなければならない時もある」と言葉を掛けられて「救われた思いがした」と振り返った。
3連敗から4連勝して日本一に輝いた89年の日本シリーズや、中日と同率で並び最終戦で雌雄を決した94年の「10・8」決戦での裏話のほか、長嶋茂雄元監督や原辰徳監督、現役の菅野智之投手、坂本勇人選手らとのエピソードも披露し、訪れた人たちを沸かせた。
真のエースについて斎藤さんは「チームのみんなから信頼されることが一番。そのためには何年も積み重ねて成績を残し、この人が投げて負けたら仕方がないと思ってもらえるようにならなければならない」と持論を述べた。
最後には往年のユニホーム姿も披露し、サインボールや帽子がプレゼントされた。