本と人を結ぶ場に ブックス&シアターカフェ 「風人堂」オープン【花巻】
花巻市末広町に今月、ブックス&シアターカフェ「風人(ふうじん)堂」がオープンした。店主は、花巻の魅力を発信する雑誌「Machicoco(マチココ)」を発行する同市上根子の北山公路さん(60)。本棚を月2200円で貸し出し、借り主の好きな本を並べて販売する形。活字離れが懸念される中、「大型書店では出合わない本と人を結ぶ場を目指したい」と意気込む。
ゲストハウス「meinn(メイン)」の1階に開設。縦横40センチ、奥行き20センチの木製本棚40区画を用意し、20日現在で10区画ほどレンタルされている。北山さん所有の本も含めると800冊ほどがそろう。棚には小説や漫画、レシピ本、雑誌といった書籍のほか、クラフト品など何でも置けるようにし、売り値は借り主が決める。
北山さんはマチココを作るに当たり日常的に花巻のまちを散歩するが、本屋がどんどん減り「本のある景色がほしい」と感じたことがきっかけで、5年ほど前から自らブックカフェを開こうと考え始めていたという。
カフェはテーブルとカウンターの計17席。温かみのある照明がともり、落ち着いた空間で読書を楽しめる。同市石鳥谷町の障害者支援施設「松風園」で焙煎(ばいせん)したコーヒーや同市東和町の「なんぶ平野農園」のりんごジュースのほか、ビールや地酒などを味わえる。
12月半ばからはスパイスの利いたカレーを提供する予定で、今後メニューも増やしていく考え。テークアウトの準備も進めている。
店内にミニシアターも設け、映画の上映会も開催。ゲストハウスと併設していることで本屋としての機能だけでなく、ジャンルに関わらず幅広い役割を持たせる場としていく。
北山さんは「さまざまな人が出会い、文化の交流拠点となればうれしい」と話す。
営業時間は午前11時~午後7時。火曜休み。問い合わせはフェイスブックかメール。アドレスは次の通り。