新たな形で魅力発信 オンライン半額 南部鉄器まつり開幕【奥州】
奥州市水沢の第41回南部鉄器まつり(実行委主催)は21日、オンラインのまつりと、同市水沢羽田町の市伝統産業会館での展示が始まった。まつりの中心となる販売は例年4割引きで南部鉄器が購入できると人気だが、今回はオンラインで5割引き。実行委会長の佐藤庄一・水沢鋳物工業協同組合理事長は「コロナ禍で中止も考えたが、今できる形を模索した。オンライン販売はまつり後も見据えてリニューアルした。まつりがネット上の知名度向上を図るきっかけになればと思う」と期待している。
同まつりは例年9月に開催され、4割引き販売などで人気のイベント。今年も当初は9月開催を目指したが、対策が間に合わず11月の開催となった。また、密集、密接を避けるため、市鋳物技術交流センター会場はなくし、同組合サイト内の特設会場でのオンライン販売を主体としたイベントとした。
オンライン販売は、初日午前9時から開始。まつりに向けた150点が準備されたが、人気の商品はあっという間に売り切れとなるなど、関係者は「上々の滑り出し」とみている。
一方、同会館では、午前9時~午後3時に第60回奥州南部鉄器展、羽田小学校児童鋳物作品展、市ふるさと納税返礼品展と売店での5割引き販売が行われている。羽田小の作品展は、4年生が9月に同センターで製作体験した文鎮を展示。南部鉄器展は例年よりも多い32点が並び、来場者は県知事賞の佐々木奈美さんの「鉄瓶 平筒形七宝模様」などに見入っていた。
佐藤会長は「組合のオンライン販売はこれまでもあったが、今回のまつりをきっかけに大きく充実させた。中国への売り込みももちろんだが、九州など国内の販路を広げていくことも大事。まつりの状況を見ながら今後の販売戦略も検討したい」と話している。
同まつりはオンライン、同会館とも23日まで。売店の販売は6人までの入場制限をかけて実施している。