QRコードで保護情報共有 徘徊対策へ新サービス 金ケ崎町
認知症などによる徘徊(はいかい)が全国で問題となっている中、対策として金ケ崎町は高齢者保護情報共有サービス「どこシル伝言板」を県内で初めて導入した。衣服や持ち物などに貼り付けられるQRコード付きステッカーを活用し、要保護者の行方を家族らが素早くつかめる仕組み。効果的に運用できるよう、協力者となる一般も含めて周知に努めている。
どこシル伝言板は、医薬品卸や医療環境のサポートなどを手掛ける東邦ホールディングス(本店東京都)が提供。要保護者の家族らが徘徊に備え、事前に必要情報を登録して利用する。帰り道が分からなくなるなどした要保護者を発見した人がスマートフォンなどでQRコードを読み取ると、家族らに発見通知メールが即時送信される。家族らと発見者のみが使用できるウェブ上の「伝言板」にもアクセスでき、円滑な保護に役立つとされている。
個人情報保護に配慮し、ニックネームでの登録も可能。ステッカーは、衣類向けの洗濯しても剥がれにくいタイプと、持ち物に貼り付ける蓄光タイプの2種類がある。
同町は民生委員・児童委員や警察などに事前説明をした上で、10月に運用を開始。12日現在、町徘徊SOSネットワークに登録している高齢者のうち10人が利用しているという。発見者が要保護者に声を掛けられない状況の場合、奥州署金ケ崎交番に連絡するよう呼び掛けている。
必要経費は登録者数とともに増すが、これまでに費やした関連予算は10万円程度。町保健福祉センターの高橋真一郎事務長補佐は「メリットに対してコストが低いサービス。保護の必要な人が町外に出た場合にも備え、県内に事業が広がってほしい」と話している。
問い合わせは同センター=0197(44)4560=へ。