花巻

買い物支援、見守りへ Aコープ 花巻、北上で移動販売車

Aコープゆぐち店を拠点に花巻、北上両市で運行するとくし丸。地域密着型の移動スーパーとして高齢者らを支援する

 Aコープ東北(本社盛岡市、織田展男取締役社長)は24日、花巻市円万寺のAコープゆぐち店を拠点とする移動スーパー車「とくし丸」の運行を開始した。食料品や日用品など最大1200点を積んだ軽トラックが同市西南部と北上市西部を定期的に巡回し、高齢者らの買い物支援と見守り活動を図る。北上市内でのとくし丸運行は初めて。

 初日は同店駐車場で出発式が行われ、関係者が出席。Aコープ東北の本間淳代表取締役常務は「高齢で買い物に行くことができないといった買い物弱者の声に応えるべく移動販売を地域貢献の立場でこれまで行ってきた。コロナ禍で店に訪れるのを遠慮している人もいるので、お客さまの軒先に訪問し、新しい生活様式に即した移動販売に努めたい」とあいさつした。

 来賓のJAいわて花巻の髙橋利光専務は「近くに商店がなくなり買い物に行けない高齢者が増えている。買い物支援のほか、地域の見守り役として活動してほしい」と期待を込めた。

 出席者5人によるテープカットに続き、「とくし丸」の個人事業主として販売に出向く瀬戸紘さん(北上市在住)が「北上市では第1号のとくし丸が運行できることに感謝したい。花巻、北上両市の買い物弱者が少なくなるよう努力したい」と決意表明した。

 初日は花巻、北上両市の36軒を巡って刺身や牛乳、菓子などの食料品、日用品を販売。瀬戸さんが客の要望に応じて商品を取り出し、コミュニケーションを図りながら会計を済ませていた。利用した花巻市太田の伊藤きすさんは「普段は息子が買い物に行ってくれる。自分が食べたいものが欲しい時に(とくし丸が)来てくれると助かる」と話していた。

 Aコープ東北管内でのとくし丸は通算14台目で、岩手では9台目。花巻、北上両市では1台目。販売エリアは花巻市の西南地区(太田、笹間)、北上市の江釣子、和賀両地区(江釣子、和賀、藤根など)で、平日5日間に運行し、ルートにもよるが1日につき40~50軒を巡る予定。

 売れ残った商品は毎回、同ゆぐち店に戻すため食品ロスを心配せずに販売できるという。

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