感染症の基礎学ぶ 石鳥谷で健康講座【花巻】
新型コロナウイルスなど感染症に関わる市民向けの講座は、花巻市の石鳥谷保健センターで開かれた。参加者は感染症の基礎や感染の仕組み、正しい予防法などを学び、免疫力の重要性を再認識した。
糖尿病予防をメインテーマにした2020年度市健康アップ講座。市内4地区で2講座ずつ設けた日程最終日の3日にほぼ定員の29人が参加。市内の照井内科消化器科医院の照井虎彦院長が講師を務めた。
まず「ウイルスと細菌の違い」に関し、独自に活動して栄養があれば繁殖できる単細胞生物の細菌に対し、遺伝子情報しか持たないウイルスは生体に感染していないと自然に死ぬという明確な違いを紹介した。
その上で「風邪は基本的に寝て治せるが、こじらせた場合は抗生剤が必要なことがある」と説明。糖尿病患者が感染症に弱い理由に白血球の機能低下や細小血管の障害、神経障害で感染や悪化に気付かないことなどを挙げた。
病原体を含む飛沫(ひまつ)核が乾燥して空気中を漂い、吸い込むことで感染する結核菌やはしかなどの「空気感染」、せきやくしゃみの唾液が直接目や鼻、口に飛んで起こすインフルエンザや風疹などの「飛沫感染」の違いも説明した。
ドアノブや蛇口などに触った手で顔に触れて起こる接触感染が圧倒的に多いことを指摘。小まめな手洗いと距離の確保、換気の重要性を強調し「大事なのは免疫力。日常生活で完璧な予防は難しく、免疫力を低下させないことが一番の予防になる」と説いた。