北上・西和賀

セリ収穫盛ん 北上・下江釣子

年末年始に向けてピークを迎えるセリの収穫作業=北上市下江釣子

 「清水(すず)の里」として知られる北上市下江釣子地区で、豊富な湧き水を使ったセリの収穫作業が盛ん。セリは青々としてみずみずしく、生産農家が市場出荷に向けた選別、結束作業に精を出している。

 古くからの産地で、柔らかく風味が良い「江釣子せり」として根強い人気がある。生産農家によると10年前までは20戸ほどが生産していたが、高齢化などで現在は8戸になった。

 広さ10アールで栽培する菊池和子さん(80)もその一人。6月に圃場(ほじょう)に苗を植え、成長したセリを細かく切って散らしてまくとやがて芽が出て根を張り、今年も11月中旬に収穫できるようになった。

 12日は、湧き水の入った圃場で男性2人が根元に手を入れ長さ40センチほどのセリを引き抜く収穫作業を担当。そばの小屋では菊池さんら女性5人が選別して一束ずつまとめる出荷準備に追われた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による消費需要の動向が気になるが、菊池さんは「鍋に限らず、おひたしやサラダ、酢のものなど何でもおいしい。いろんな食べ方で味わってほしい」と話す。

 例年に比べて冷え込みは緩いが、鍋物や正月用として需要が高まる年末年始に向けて12月下旬にピークを迎え、忙しさは年明けの七草がゆの頃まで続く。

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