奥州・金ケ崎

半導体需要に対応 新設6号棟完成 東京エレクトロン東北事業所 奥州・江刺

15日に竣工式を迎えた東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ東北事業所の6号棟(同社提供)

 半導体などの製造装置を手掛ける世界的メーカー・東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(本社山梨県韮崎市、佐々木貞夫代表取締役社長)の東北事業所に新設された6号棟の竣工(しゅんこう)式が15日、奥州市江刺岩谷堂の現地で行われた。世界的な半導体需要に応え生産力を高める新施設の完成を出席者で祝った。

 6号棟は免震の鉄骨造り4階建てで、延べ床面積は3万2059平方メートル。枚葉成膜装置の製造を担う。投資額は約130億円で、2018年10月から建設を進めてきた。工事は2期に分けて行われ、1期の終了を受けて7月ごろに生産を始め、現在は全体のスペースの2割程度が稼働している。既存棟と合わせ、生産能力は最大で現行の2倍に増強できる見込み。

 成膜事業は半導体製造装置の市場全体約6兆円のうち、約1億円を占める。同社の成膜事業は、江刺中核工業団地内にある東北事業所が主力。枚葉成膜装置は緻密な加工が要求され、世界的なデジタル化の進展で将来性が見込めるという。

 東北事業所の従業員は約1800人。21年1月から増産を予定しており、生産部門は地元、協力会社なども含めて約100人体制を目標に順次採用を進めている。需要を見極め、増員も視野に入れている。

 竣工式では同社と工事関係者ら17人が定礎の儀などに臨んだ。佐々木社長は「岩手県南は関連の大型事業所などもあり立地が非常に良い。近隣の関連事業所にも生産向上をお願いしている。新型コロナウイルスによるリモート化などで社会全体の半導体デバイス需要が高まり、現在は既存の5号棟までフル生産状態。社会を支えるエッセンシャル産業として仕事をしている」と現況を語った。

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