一関・平泉

大雪で農業被害深刻 一関地方 ハウス倒壊相次ぐ

大雪の影響で倒壊した農業用ハウス。農家が対処に頭を痛めている=21日午後3時50分ごろ、一関市中里字荒谷地内

 本県内陸部を中心に続いた大雪の影響で、一関地方では農業面の被害が深刻化している。園芸や水稲のハウスは倒壊が相次ぎ、畜産でも牛舎などが破損。JAなどの関係機関が被害状況の把握に努めているが、道路事情の悪さや件数の多さから対応は難航している。

 同地方では14日から雪がほぼ毎日降り続け、その重みに耐え切れず倒壊するハウスが続出。JAいわて平泉によると、22日までに園芸用73棟、水稲用113棟のハウスが倒壊したとの連絡が農家から寄せられた。

 このうち、収穫期に入っている同JAいちご生産部会は、部会員3人のハウスが被害に遭った。

 滝澤幸夫部会長(60)=一関市花泉町=は「イチゴを栽培中のハウスは暖房で加温して融雪できるが、育苗用や栽培休止中のハウスがつぶされた。来年の苗作りなどに必要。いずれ再生しなければならない」と表情を曇らせる。21日の目揃(ぞろ)え会では部会員に対し、行政などからの災害復旧支援策を期待し、被害状況を写真などで記録しておくよう呼び掛けた。

 前部会長の佐藤正弘さん(60)方=同市中里=では、栽培を休んでいたイチゴ用と水稲育苗用のハウス計3棟が雪で倒れた。佐藤さんは「水稲のハウスは17日朝に支柱を立てたが、昼にはつぶれた。雪の重みが増し、壊れた部分が広がってきている。とても対処できず、雪解けまで待つしかない」と肩を落とす。

 園芸や水稲関係にとどまらず、畜産関係も牛舎や格納庫が破損するなどの雪害が出ている。除雪が追い付かない道路事情から集乳業務ができず、牛乳をやむなく廃棄した農家もあったという情報も寄せられている。

 県農業共済組合磐井地域センターは、21日までに管内の農家96戸、ハウス115棟の被害を把握した。共済による補償に向け、加入者への調査を進めている。

 市は情報収集や除雪作業を継続しており、勝部修市長は21日に市役所で行われた記者との懇談で「今まさに集計作業中。相当な数になると思う。4、5年前にもビニールハウスが倒壊するどか雪があり、急きょ支援策を講じた」とし、状況に応じて対応を検討する姿勢を示した。

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