奥州・金ケ崎

除雪も助け合い スノーバスターズ始動 宮田農事実行組合【奥州】

高齢者宅で活動する宮田地区スノーバスターズ

 奥州市水沢佐倉河の宮田農事実行組合(菅原栄一組合長、組合員43人)は、記録的な大雪で出入りに苦労する組合員宅の除雪を行う「宮田地区スノーバスターズ」の活動を始めた。50センチを超える積雪のため、高齢者世帯では門口までの除雪もままならない状況。困っている人を助ける互助の仕組み―と菅原組合長(75)。「誰かが相談に乗ってくれるだけでもうれしいとの声もあり、やって良かったと感じている」と話している。

 同組合は水沢地域北部の5地区で構成。農家の高齢化もあって作付け条件が悪い所では耕作困難な田畑もあり、耕作互助の仕組みとして土井田営農組合を組織して地域ぐるみで農業の維持に取り組んでいる。スノーバスターズは新たな取り組みで、自宅から出られなくなる組合員がいるかもしれないと危機感を募らせる中で活動開始を決めた。

 19日には菅原組合長名で活動に協力する参加者と合わせて除雪希望者を募る文書を送付。活動日は26、27の両日と記していたが、同日から除雪希望者があり早速活動したという。

 26日は高齢者世帯から要請があり、土井田営農組合所有と参加者所有の小型除雪機3台で出動。除雪機で家の周りにたまった雪をかき分け、屋根から玄関前に落ちた大量の雪をスコップなどでよけた。

 活動を見守った女性は「かつてない積雪で身動きが取れない。デイサービスの送迎車の取り回しも難しく、歩くのにも通路が確保できなかった。ありがたい」と感謝していた。

 菅原組合長は「雪が降り積もり続けた先週は、自宅周辺の除雪はどこも対応してもらえないと思うような状況があった。組合が身近な存在となっているから相談してもらえた」と語る。

 年末に向けて寒波と降雪が予想されるが、「まだまだ大変な時期が続く。やれる人が困っている人を助ける。そういう地域性がある。これからも相談に乗りたい」と意欲を見せている。

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