一関・平泉

創業55年 惜しまれ閉店 厳美・滝見だんご【一関】

看板メニューの「5色」。品切れが相次ぎ、この日はごまの代わりにくるみが2本入れられた
常連ら連日行列 最後の客まで心尽くし

 国の名勝天然記念物・厳美渓に近く、地元を中心に県外からも人気があった一関市厳美町字滝ノ上のだんご店「滝見だんご」が、惜しまれつつ閉店した。1965年の創業から半世紀余りにわたり、試行錯誤を重ねてたどり着いた味を提供してきたが、登嶋石根店主(83)が高齢のため継続が難しくなり、今年でのれんを下ろすことになった。同店は「年中休みなく店に立ち続けたが、そろそろ限界なので休ませていただく。長年お世話になり、ありがとうございました」と感謝する。

 同店のだんごは、契約農家で特別に栽培してもらったササニシキだけを使い、コメの種類や蒸し方などを何通りも試して生み出された。だんご粉やもち米、添加物は一切使用していないのが味わいの秘訣(ひけつ)という。いそべ、くるみ、あん、ずんだ、ごまをたっぷりと絡めて詰め合わせた「5色」は、手土産などに何パックもまとめて買い求める客が多くいる看板商品だった。

 店内のカウンター越しにある調理場で、細長い棒状にした生地を登嶋店主や従業員が首から提げた糸で手際よく切る作業風景を見られるのも名物の一つだった。

 閉店が決まってからは長年の常連やうわさを聞きつけた多くの人が詰め掛け、連日数時間待ちの行列ができた。地元だけでなく県外ナンバーの車も後を絶たず、並んでも完売で買えなかった人が日を改めて訪れるなどして閉店を惜しんだ。

 登嶋店主らは連日、調理や梱包(こんぽう)に接客、材料の補充、洗い物など、息をつく間もないほど忙しく動き回り、合間には電話が頻繁に鳴っていたが、取るいとまもないほどだった。最終日の27日は閉店予定時刻を1時間以上超えた午後6時過ぎまで行列が続き、「雪なのでお気を付けて」と気遣うなど、最後の客までおもてなしに心を尽くした。

 営業を終えて同店は「お客さんには大雪で寒い中、並んでいただき申し訳なかった。大変お世話になりました」と感謝していた。

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