花巻

産土 力強く生き生きと 阿部さん(北上)作品展 八丁土蔵ギャラリー【花巻】

「産土神」をテーマに粘土や流木などを組み合わせた作品を展示する阿部さん

 北上市和賀町横川目の美術家、阿部龍一さん(56)の作品展「うぶすな」は、花巻市東和町土沢の萬鉄五郎記念美術館隣の「八丁土蔵ギャラリー」で開かれている。土地土地で生まれた人を一生守るといわれている神「産土(うぶすな)神」をモチーフに、粘土や流木で表現したオブジェなど28点を並べている。2月28日まで。

 阿部さんは花巻市出身で岩手大教育学部特設美術科卒。中学校美術教諭を務めながら制作活動に取り組んでおり、数々の美術展や芸術祭で入賞経験がある。

 人間の顔や胴体を粘土で形作り、流木やわらなどと組み合わせる作風が特徴。

 40代前半のころ、流木に朽ち果てる美しさを感じて粘土作品とマッチさせたことで、自身のテーマ「命」「生と死」「神」「輪廻(りんね)」などを思い通りに表現できると知った。それ以来、流木以外にも塗料の剥げたトタンや鉄板、麻布など古びていく物を作品に取り入れている。

 今展では、産土をテーマにした作品を中心に展示。大人の背丈以上もあるダイナミックなサイズの物もあるが、どれも穏やかな表情をした産土が静かに何かを語り掛けてくるようだ。

 阿修羅像や空也上人の立像を粘土で模した作品もある。

 阿部さんは「積み重ねてきた作品を一堂に会して展示するのはなかなかない機会なので、会場で空間美や自然の形態美を感じてもらいたい」と話している。

 時間は午前9時~午後4時30分。入場無料。月曜休館。問い合わせは同美術館=0198(42)4402=へ。

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