北上・西和賀

病児保育CF300万円突破 移動バス型実現へ始動 きたかみ子育てネット

改修したバス車内のイメージ図。元気な子と病児に対応できるよう保育室(左側)と安静室を調える計画だ

 北上市を拠点に活動する任意団体・きたかみ子育てネット(髙橋夏江代表)が、病児保育実現に向け実施したクラウドファンディング(CF)で、208人から総額309万円が寄せられた。第1目標はおろか第2目標までクリアし、同ネットは多くの協力に感謝。まずは、髙橋代表が調達済みのバスを改装して「移動バス型保育」の実現へ始動し、最終目標のバスでの病児保育を目指す。

 誘致企業が集積する同市では周囲に頼れる親族がいない転勤族が多く、子供が病気にかかった際に預かる病児保育を望む声が強いものの実現には至っていない。同ネットは実現の第一歩として2020年11月21日~12月24日、インターネットで資金調達するCFを実施し、5000円~10万円の金額に応じて塗り絵や絵本、北上特産品などの返礼品も用意した。

 まず、手初めとして必要な世帯に出向く訪問型保育実現へ設定したファーストゴールの100万円は、CF開始から2週間で突破した。バスを改修し元気な子を預かるネクストゴールは300万円を目標とし、趣旨に賛同する市内外から順調に寄付が集まりクリア。幅広い層から応援メッセージも寄せられた。

 髙橋代表は「かなり多くの方々にご協力いただいた。子育てを経験された方々からも多く支援があり、病児保育への期待を感じている」と謝意を示した。

 CFは終了したものの今後も寄付を募り、バスを改装。最終的な病児保育実現を見据え、保育室、安静室などを整え、関係者が必要な講座を受講する。

 バスは隔離された空間を確保でき、送迎や急変時などにも柔軟に対応できる利点がある。大型2種や保育士、教員などの各免許を持つ髙橋代表が自らバスの運転や保育、学習指導を担う。年内には元気な子供を預かり、バス車内をはじめ自宅に訪問して保育、家庭教師などに幅広く対応したい考えだ。

 ファイナルゴールに掲げた、移動バス型の病児保育には500万円が必要。それ以上に協力してくれる医師、看護師らが不可欠で、市にも病児保育実現へ協力を求めていく。

 髙橋代表は「必要としている方々に早くサービスを届けられるよう、できることからスタートさせていく。医師や看護師、市の協力を得ながら、最終的には病児保育を実現させたい」と決意を語っている。

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