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大雪被害 県南7市町 農林11億円 ハウス破損・倒壊2346棟 12日現在【岩手】

 県は13日、2020年12月14日から今月12日までの大雪による農業被害状況を公表した。農林関係の被害額は12日午後4時現在、県南7市町合わせて11億2441万円に上り、ハウスの破損や倒壊の被害が最も多く、2346棟となることが分かった。積雪の影響で被害確認が進んでいない地域もあることから、被害額算定は4割にとどまっており、今後さらに増える見通しだ。

 県議会閉会中の総務、農林水産各常任委員会で県が示した。

 被害が確認されているのは花巻、北上、奥州、一関、西和賀、金ケ崎、平泉の7市町。

 被害の内訳は、農業施設関係11億1452万円。施設の破損や倒壊は、パイプハウス2346棟(7市町)、倉庫など177棟(一関市、奥州市、金ケ崎町、平泉町)、畜舎など72棟(同)、農業用機械の破損38台(奥州市、金ケ崎町)となっている。

 農畜産物は5万円で、ハウス倒壊による花卉(かき)の倒伏2アール(花巻市)、集乳車集荷不可による生乳の破棄490キロ(一関市、平泉町)。

 林業関係は984万円で、うち原木シイタケ用パイプハウス倒壊4棟(一関市、金ケ崎町)で917万円、森林の幹折れなど0・52ヘクタール(北上市、一関市、奥州市、平泉町)で67万円。

 県では、共済金の早期支払いや県内の関係金融機関に対し円滑な資金融通などの要請を行ったほか、8日には被災した農業施設の復旧に必要な支援策を講じるよう国に要望した。

 12日には県南広域振興局など計10カ所に相談窓口を開設して対応している。

 大雪被害について、佐藤隆浩農林水産部長は「県南地域の雪の降り方が例年に比べ、局所的で量が多かったことが原因。なるべく早い段階で生産者が前を向いて営農できるよう国に対し、早期の支援策適用を要請している」と述べた。

 県総合防災室では、先月29日から今月11日までの大雪により、死者2人、重傷者4人、軽傷者14人の人的被害が発生したことも公表した。いずれも、除雪や屋根の雪下ろし作業中の事故によるものといい、注意を呼び掛けている。

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