北上・西和賀

キオクシア第2製造棟造成へ 拡張用地売却を可決 北上市議会臨時会議

 北上市議会1月臨時会議は29日開会し、半導体大手・キオクシア(東京都港区、早坂伸夫代表取締役)に北上工業団地拡張用地を売却する議案などを可決した。議決を受け同社は子会社・キオクシア岩手の第2製造棟の土地造成へ具体的に動き出す。同団地拡張用地と北上南部工業団地を市内立地の企業2社に売却する議案も可決し、両社の既存地はキオクシアに売却される見通し。キオクシアはさらなる規模拡大へ、民有地を含めた新規土地取得も進めていく。

 同日の市議会で、北上工業団地の拡張用地3カ所合わせて11・4ヘクタールを事業用地として16億4840万円で売却する議案を可決。現在稼働している第1製造棟周辺で、同社は今春、第2製造棟の造成工事に着手、2022年春ごろの完了を見込む。市場動向を踏まえ、早期建設を目指している。

 倉庫業、貨物自動車運送業等の北上運輸(同市町分、藤村秀一代表取締役社長)には、北上工業団地の拡張用地5・6ヘクタールを5億7300万円で売却する。同社は同団地内に物流センターを開設しているが、拡張用地に新しい物流倉庫を建設する方針。総投資計画額は約20億円。新倉庫は22年10月の操業開始を見込む。同社は「事業拡大と業務効率化のため。広くなり、新しいビジネスモデル構築を目指す」としている。

 包装資材の製造販売を手掛ける東北小籏(宮城県大崎市古川、齋藤清代表取締役)には、北上南部工業団地の1ヘクタールを1億円で売却する。同社は北上工業団地内に岩手営業所岩手工場を構えているが、南部工業団地に移転し事業規模を拡大する。総投資計画額は約5億円。新工場は22年1月の操業開始を予定している。

 市は、キオクシア第1製造棟と拡張用地を挟む市道部分もキオクシアに売却する方針。キオクシアはさらなる事業用地拡張へ北上工業団地内の北上運輸、東北小籏の現在地などを含め民有地の土地取得を検討している。

 臨時会議では、移動図書館車1台を3100万円で取得する議案も可決。除雪費や新型コロナウイルス対策関連など8億7437万円余りを増額する20年度一般会計補正予算案なども提出され、2月4日の本会議で採決される。

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