花巻

花巻人形 愛くるしく 子供、動物題材に400点 市博物館テーマ展

愛くるしい花巻人形がずらりと並ぶ花巻市博物館のテーマ展
初公開となる花巻人形「仁田忠常の猪退治」

 花巻市博物館の2020年度テーマ展「めでたい!花巻人形」は、同市高松の同館で開かれている。堤人形(仙台)、相良人形(米沢)と並んで「東北三大土人形」の一つに数えられる花巻人形。同館所蔵の3500点以上の中から厳選した、色鮮やかで愛くるしい表情の人形約400点を一挙に公開している。4月4日まで。

 花巻人形は、全国の土人形と同様、子供の健やかな成長を願って作られた。題材や大きさはさまざまで、赤や青、緑を中心に色付けされ、花柄があしらわれているのが特徴だ。

 盛岡藩の御焼物師を務めた古舘家の3代伊之助が、1781~89年に堤人形の制作技術を習得し、制作したのが始まりとされる。

 徐々に人形作りが広まり、主に四つの家系の職人によって作られたことで独自の発展を遂げていった。昭和30年代に一端途絶えたものの、郷土玩具を制作していた同市の平賀工芸社が1974年に復活させ、現在も「花巻土人形」として作り続けられている。

 今展では、子供や動物、芸能、世相などを題材とした花巻人形を展示。

 子供を題材にした人形が多く、真っ赤な鯛を抱いたり、担いだりする子や、花かごを乗せた車を引く子などを表現。どれもほほ笑みを浮かべた穏やかな表情で、見ている人も思わず顔をほころばせてしまうような作品が並ぶ。

 2020年度に総合花巻病院から寄贈された「仁田忠常の猪(いのしし)退治」は「曽我物語」の一場面を表しており、初公開となる。入り口付近には花巻人形のひな壇も飾られており、鑑賞者を圧倒する。

 同館学芸員の小田島智恵さんは「新型コロナウイルスでうつうつとした日々が続くが、華やかな人形を眺めて明るい気持ちになり、癒やされてもらいたい」と話している。

 開館時間は午前8時30分~午後4時30分。入館料は一般350円、高校・学生250円、小中学生150円。

 問い合わせは、同館=0198(32)1030=へ。

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