一関・平泉

黒字経営 繁盛願い 大東・古鼎堂 クロモジ材料の印章販売【一関】

日本古来の香木クロモジで製作した「黒もじ印」を手にする古鼎堂の菊池代表取締役

 一関市大東町摺沢の印章店「古鼎堂」(菊池亮代表取締役)は、本県が北限とされる日本古来の香木クロモジを材料にした印章「黒もじ印」の製造・販売を始めた。クロモジを「黒字(経営)」になぞらえ、「商売繁盛」の印章として企業や商店などの利用を見込む。県南技術研究センター(同市萩荘)や市内の企業がクロモジの香りを生かした商品の開発・販売に乗り出しており、新たな特産品となるよう期待している。

 クロモジはクスノキ科の落葉低木で、枝は高級ようじの材料として使われ、東北地方でも容易に採取することができる。樹皮や枝葉に強い香りがあり、香気成分はリラックス効果があるとされるリモネン、鎮静効果や抗不安効果、抗菌に効果があるリナロールなどが含まれる。県南技研は地元産のクロモジに着目。市内の企業や福祉施設が参画し、クロモジから抽出した豊かな香りがある精油を酒やクッキー、餅、化粧品に使うプロジェクトが進む。

 黒もじ印は大東産などのクロモジを材料に使用。自然乾燥させたクロモジを磨いて一級印章彫刻技能士が面摺り、墨打ち、彫りなどの工程を経て仕上げる。

 通常印章の材料となる木はツゲや黒檀、アカネなどが主。クロモジは芯の部分が軟らかく、印章向きではないというが、芯の部分に竹を入れて代用することで商品化を可能にした。樹皮を残すなど素材の魅力を生かしており、サイズは長さ約6センチ、直径1・7~2・1センチ程度。印章にカラフルなストラップも付ける。

 菊池代表取締役は「商売繁盛、黒字を出すための印章にしてもらえればうれしい。絵手紙や書、一閑張りなど趣味の作品のアクセントなどにも使ってもらえるのでは」と話している。

 黒もじ印は1本4192円(税込み)。手作業で製作するため注文から完成まで2週間程度を要する。

 注文・問い合わせは古鼎堂=0191(75)3154=、百匠工房=090(7329)5725=へ。

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