北上・西和賀

40人が第1種電気工事士合格 地元企業が支援、指導 黒沢尻工高【北上】

第1種電気工事士に合格した黒沢尻工高の生徒ら

 県立黒沢尻工業高校(千葉治校長、生徒・学生617人)の2、3年生40人が、2020年度の第1種電気工事士の試験に合格した。同校の受験者数に占める合格者の割合は74・1%で、受験するようになった07年度以降過去最高。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、関係機関や地元企業の支援や指導を受けながら切磋琢磨(せっさたくま)し、多くの生徒が合格を勝ち取った。

 第1種電気工事士は、一般住宅をはじめ工場や公共設備などあらゆる電気設備の工事が認められている国家資格。筆記と技能試験の合格に加え、電気工事に関する3年以上の実務経験を積めば免状を取得できる。

 同校では、進路意識を高め、卒業生が早期に活躍できるよう在学中の受験を奨励。産学官連携組織の北上川流域ものづくりネットワークや地元企業による指導や支援で合格者を増やしている。

 今年度は電気科2年生28人、同3年生10人、電子科3年生の2人が合格。コロナ禍で第2種電気工事士の前期試験(6、7月)が中止になり、後期試験(10、12月)と同じタイミングで第1種の受験が求められるなどの苦労もあったが、寄贈された電設資材や器具を活用し、技能試験直前の12月には企業講師の指導で講習を重ねて本番に臨んだ。

 渥美三平さん(電気科2年)は「教え合うことは大事。自分も分かるようになる」と話し、互いに励まし合い競い合ったことが合格につながったと振り返った。関係者の支援や指導に宮舘秀弥さん(同2年)は「将来はお世話になった人への恩返しがしたい」と感謝。菊池瞬さん(同2年)は合格を機に「電気はインフラで大切なものの一つ。社会に貢献できる仕事に就き役に立ちたい」と意気込みを新たにした。

 19日には合格者をはじめ関係者が北上市の同校に集まり記念写真を撮影。第1種は全国でも3、4人に1人程度の合格率とされ、千葉校長は「一筋縄でいかない難関。高校時代に合格したことに誇りを持ち、電気の専門分野で活躍してほしい」と語り、企業講師を務めた同校卒業生が活躍する横川目電業(同市和賀町)の髙橋寛代表取締役は「この道のエキスパートになる入り口に立った」とたたえ、さらなる飛躍を期待した。

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