奥州・金ケ崎

城下町彩るくくり雛 伝統の飾り400点 メイプルまつり開幕【奥州】

城下町水沢に春の訪れを感じさせるくくり雛まつりが開幕

 奥州市の第20回くくり雛(びな)まつりが27日、同市水沢字横町のメイプル4階催事場で開幕した。伝統のくくり雛400点が会場を彩り、春の雰囲気を醸し出している。

 まつりは奥州水沢くくり雛まつり実行委員会が主催し、岩手日日新聞社など後援。例年は回遊できる会場設定にしていたが、コロナ禍で同会場と「城下町水沢のひな人形展」開催中の市武家住宅資料館の2会場のみとした。

 メイプル会場でも例年は600体を飾っていたが、今回は縮小。水沢くくり雛保存会(佐々木恵子会長、会員15人)の作品を中心に展示した。会場には雛壇に陳列しているほか、額装されたくくり雛、日高火防祭(ひぶせまつり)の屋台、鹿(しし)踊りの群舞などに仕立てた作品がずらりと並ぶ。

 題材は、内裏雛、左大臣、右大臣、三人官女、五人囃子(ばやし)といったもののほか、歌舞伎や能の1場面、縁起物など。華やかな人形が会場をめでたい雰囲気に包み込んでいる。

 佐々木会長(74)は「開催をどうしようか迷ったが、やってほしいという声を頂き、伝統の行事を通じて元気になってもらいたいと思った」と言い、「明るく、楽しく過ごしてもらい、新型コロナを全滅するような雛まつりにしたい」と語っている。

 くくり雛は押し絵の技法で作られた雛人形。綿を布でくるむことを「くくる」ということから生まれた名称。江戸時代の文久2年(1862年)の年号が記載されたくくり雛もあり、歴史は江戸時代までさかのぼれるが、明治、大正時代に隆盛期を迎えたという。

 メイプル会場では3月3日までで、時間は午前11時~午後4時。問い合わせは市観光物産協会=0197(22)7800=へ。

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