花巻

熟成具合 飲み比べ ブドウ生産農家らが研究実験 早池峰ダム貯蔵ワイン【花巻】

早池峰ダムで熟成したワインなどを試飲する関係者

 花巻市大迫町内川目の早池峰ダム堤体内で1年間熟成させたワインの試飲が5日、同町のエーデルワイン直売店「ワインシャトー大迫」で行われた。同社の地下倉庫で保管した同じワインと飲み比べて保存環境による味や香りの違いなどを確認し、ダムによるワイン貯蔵の可能性を探った。

 同町のブドウ生産農家らでつくる大迫醸造用葡萄(ぶどう)研究会(佐藤格会長、会員36人)は2020年3月、ダム堤体上部から約35メートル下がった位置にある監査廊で瓶ワインを貯蔵する実験をスタートし、998本(1本720ミリリットル)を搬入した。

 ダムを管理する県南広域振興局土木部花巻土木センターによると、外気温は最高27・6度、最低は氷点下7・4度と35度の上下があったのに対し、実験場所の室温は最高12・5度、最低6・5度と6度しか変化しなかった。年間平均室温は、ワインの保存に適した10度程度に保たれ、湿度も年間平均で約74%だった。

 試飲したのは、いずれも日本ソムリエ協会のソムリエなどの有資格者で、県工業技術センター醸造技術部の平野高広上席専門研究員、ホテルメトロポリタン盛岡のフランス料理店「モン・フレーブ」の松坂満支配人、エーデルワインの社員3人。エーデルワインが実験でダム内に貯蔵していた赤、白、ロゼの4種類のワインと、会社の地下倉庫で保管していた全く同じ商品を、どちらか分からない状態でテイスティングした。

 松坂支配人は、ダム内の保存状態は良好だとした上で、「味などに違いはあったが『どのワインもダムの中に入れていた方がおいしかった』というわけではなく、(開栓して)時間がたつと違いが分からなくなったものもあった。ダムで保存した中には、これからおいしくなっていくと思われるワインもあった。ワインの種類によって熟成する環境を変更したりしても面白いのではないか」と感想を語った。同研究会では、今回の結果を報告書にまとめて県に提出する予定。

 研究会によるダムのワイン貯蔵実験は1年更新で、取り出す時期は会員がそれぞれ判断する。エーデルワインの藤原欣也取締役製造部工場長は「実験結果を踏まえるとダム内の条件は良さそうで、今後の活用を考えたい」と話していた。 

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