北上・西和賀

沢内バーデン 運営三セク解散へ 新型コロナ追い打ち【西和賀】

 西和賀町の温泉宿泊施設「沢内バーデン」などを運営する第三セクター・サンテック(代表取締役・細井洋行町長)について、細井町長は、3月末にも事業を停止し、解散させる方針を明らかにした。赤字経営が続いている上、コロナ禍もあって利用者の回復が見込めず、事業継続を断念。4月以降は町直営で運営管理業務を委託する形で日帰り温泉入浴事業のみを実施する方向で調整している。【2面に関連】

 9日の町議会3月定例会の一般質問で、淀川豊議員らの質問に応えた。

 同社は、1992年から同町沢内字大野の同施設を経営している。利用者数はピーク時の2005年度で6万3000人を数えたが、19年度には半分以下の3万1000人にまで減少。経営改善に取り組み利用者の確保を目指したものの減少に歯止めをかけきれず、14年度以降は赤字決算を重ね、17年度以降は債務超過に陥り、20年度末の累積赤字は2400万円を超えていた。

 同社の解散について細井町長は「経営改善の取り組みを進めてきたが、利用者の減少と相まって新型コロナウイルスの影響が追い打ちとなって利用者が激減し、事業での採算が見込めなくなった」と説明。解散の手続きについては特別清算の可否を含め検討中。

 同社は町が75%出資する法人で、従業員はパートを含め5人。町の責任について「従業員や取引先事業者へ対応、債務整理を優先させ、地域経済の混乱を招かないよう影響を最小限にとどめることに全力を尽くす」と述べた。

 同社は現在、温泉宿泊施設のほか体育館「志賀来ドーム」の指定管理に当たっている。施設の今後の運営については「事業開始から30年が経過して取り巻く環境が変わり、同じような事業では通用しない。日帰り温泉事業を提供しながら新しい可能性を検討していく」と述べた。

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