花巻

職員の胃満たし65年 市役所レトロ食堂が閉店 コロナ禍や高齢理由【花巻】

食堂の思い出を振り返り、常連客に感謝する小原隆さん、千恵子さん夫妻
営業最終日は、閉店を惜しむ市職員らが多く訪れた

 花巻市役所内の食堂が19日閉店した。旧庁舎時代から約65年にわたって市職員らに親しまれてきたが、新型コロナウイルスで客足が伸び悩んだ影響もあり長い歴史に幕を下ろした。経営する小原隆さん(79)、千恵子さん(76)夫妻=同市花城町=は「多くの方々にお世話になった。感謝しきれない」と思いを語る。

小原さん夫妻「感謝」

 食堂は隆さんの父の勇さん(故人)が現在の市民体育館の場所にあった旧庁舎時代に開業し、1970年に現庁舎ができたのに合わせて移転。歴代の市長にも多く利用され、約50年間店に立った千恵子さんは「ざるそばが好きな人、飲んだ次の日は必ず中華を食べる人など今まで皆さんに使ってもらった」と回想する。

 地下にあるレトロな雰囲気の店内は4人掛けが12席あり、丼物やそば、うどんなどメニューは豊富。中華そば(330円)やカレーライス(350円)など安くてシンプルな味わいが人気だったが、「宣伝をしないという契約で市役所の中を借りているので市民にはあまり知られていなかった」(隆さん)。東日本大震災の直後は、市内にいる被災者に1週間ほど炊き出しを続けたこともあった。

 かつては1日に50~60人が訪れていたこともあったものの、新型コロナで会食が避けられるようになって集客が落ち込んだことや、高齢などを理由に閉店を決意。営業最終日は午前11時30分ごろから市職員が来店し、昼時は席がほぼ埋まった。「今までごちそうさまでした」「ありがとうございました」と2人に声を掛ける姿も見られた。

 隆さんと千恵子さんは「長年やってきてさみしさはあるが、コロナには勝てなかった。市職員OBも含めてたくさんの人たちに使ってもらい、店を始めた両親にも感謝しないと」と顔を見合わせてほほ笑んだ。

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