花巻

挑戦3度目東大合格 次は神宮「勝利貢献したい」 花巻東高野球部出身・大巻さん

花巻東高グラウンドのチャンピオンフラッグ前で、東大での学生生活に決意をにじませる大巻さん

 花巻市の花巻東高校硬式野球部出身の大巻将人さん(20)=岩手町出身=は今春、東京大文科二類に合格した。同校から東大生が出るのは初めてで、春夏13度の甲子園出場を誇る強豪で学んだ「目標達成の大切さ」を胸に刻み、2浪の末に難関突破を果たした。

 大巻さんは一方井中学校3年時に全国選手権大会を観戦し、花巻東への進学を決意。2018年の選抜大会開会式ではプラカードを持って入場行進し、春季東北大会では右投左打の外野手としてベンチ入りした。

 東大を目指したのは高校1年の冬。東大野球部の浜田一志前監督に会ったのがきっかけだった。寮では1人部屋を与えられ、厳しい練習後に勉学に励んだが現役合格はならず、都内で予備校生活を送ることに。勉強時間は多い時には1日12時間。2度目の挑戦も不合格となったが、佐々木洋監督から頻繁に応援の連絡を受けたことを心の支えに、3度目で合格をつかんだ。

 昨年は素振りやランニングなどを生活に取り入れ、「体を動かすことでリフレッシュでき、勉強の集中力が上がった」と実感。東大では本格的に野球を再開する考えで、入学を控え、花巻東高グラウンドなどでトレーニングに取り組む。

 高校時代は、OBで米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が作成したことで知られる81升の「目標達成シート」を活用して勉強を進めた。実際に目標を書くことで、今何をしなければならないかを逆算して行動することができたといい、意識付けや取り組み方として今も大切にしている。

 東大は2017年秋から東京六大学リーグ戦56連敗中だが、大巻さんは「それだけ東大の勝利には価値があるので貢献したい。花巻東のチームメートとも、また野球でつながりができるので高め合いたい」ときっぱり。名門野球部の練習と勉強との両立に挑戦した経験を生かし、文武両道を目指す人を応援する活動もやってみたいと思い描く。

 佐々木監督は「次の目標は東大野球部でレギュラー獲得。神宮球場で出場の際にアナウンスされる、出身校名の『花巻東』を響かせてほしい」と激励する。

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