北上・西和賀

通年憩いの場に 20年間の一大事業完了 北上展勝地公園整備

 北上市が手掛けてきた展勝地公園整備事業は、最後のSL広場が完成した。これで同公園開園100周年に向けた、20年間に及ぶ一大事業が完了。市は桜の時期のみならず、年間を通じ親しめる憩いの場として活用を呼び掛けている。

 市は2000年度、100周年を見据えて公園全体の19ヘクタールで同事業に着手。駐車場を手初めに出会いの広場などを整備し、14、15年度に児童公園をリニューアル。16年度以降はお花見広場に遅咲きの桜を植樹したほか、トイレやあずまや、ベンチ、外灯を設け園路などを整えた。

 最後に残ったのが「シゴハチ」の愛称で親しまれていたSL移設。桜並木、SLともに見やすくしようと19年度、駐車場の正面に移設し屋根を新調した。20年度はSL広場周辺を舗装し芝を張るなど園路を整え、照明を設けて仕上げた。

 同整備事業と併せ、長寿命化と開園100周年の保全事業などを併せて推進。昨年度は桜並木南側の葦切(よしきり)橋を全面改修したほか、桜並木のツツジ900本を剪定(せんてい)。長期間仮植えしていた「展勝地ゆかりの桜」の大半を市内外の団体、個人に譲渡した一方、残った51種類の桜をお花見広場内に再配置。多種多様な桜を楽しめるようになった。

 桜並木を一望できる付近の小高い丘・陣ケ丘では老朽化していたあずまやを建て替え、約1000本のツツジを剪定。危険樹木を除去し、転落防止柵を設置するなど来場者の安全性に配慮した。

 事業着手から20年。総事業費約19億円を投じた一大事業は、目標としていた開園100周年に間に合った。市都市計画課の鈴木善一課長は「多くの方々に協力いただき、100周年に併せて整備できて感慨無量。SL広場には夜間照明がつくなど、公園全体として憩いの場、親しめる場になった」と強調。展勝地は桜が散った後もツツジ、夏はアジサイ、秋は紅葉、冬は白鳥など四季折々の姿を楽しめるだけに「桜の時期はもちろん、それ以外の時期も通年で大勢の方々に来ていただき、にぎわいの場になれば」と話している。

 市は今後も施設の保全補修、樹木管理を続けるが、整備事業としては今回で一区切り。21年度からは老齢化している桜並木の延命化対策事業を本格化させる。

▲展勝地公園整備事業の仕上げとなったSL広場。屋根が新調され、園路も整った

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