奥州・金ケ崎

穿孔暗渠の効果検証 圃場改良施工を公開 転作ネギ生産拡大へ 県

穿孔暗渠の技術実証で公開されたカットドレーンによる施工

 水田から転作するネギの生産拡大に向けた技術実証が15日、奥州市江刺岩谷堂字雲南田の圃場(ほじょう)で始まった。同日は暗渠(あんきょ)の代替で排水力を高める穿孔(せんこう)暗渠による圃場改良の様子を、県が関係者に公開。従来の排水工法のみの圃場と同時に作付けを進め、収量を比較して江刺地区での導入効果を検証する。

 米の需給バランスが変動する中、県南地域では水田転作で高収益の園芸品目への転換が進められているが、水田転作は排水不良が課題で単収が伸び悩んでいる。

 県はこの改善のため、本格的な暗渠工事より比較的安価・小規模の施工で済む穿孔暗渠の実証を行うこととした。高収益な上、ほとんどの工程が機械化され取り組みやすいとみて、将来の産地形成も見込んで今回の実証作物にはネギを選んだ。

 穿孔暗渠は専用の作業機・カットドレーンをトラクターに取り付けて施工し、圃場の地下に空洞を掘る工法。空洞は3~5年維持される。今回の実証圃場は2020年まで水稲を作付けした約50アールで、既存の地上排水工法と組み合わせて作付けする。施工委託料約9万円は、県の21年度地域経営推進費から支出した。

 同日は生産者や農機販売メーカー、県、胆江地方2市町の農政関係機関などから約40人が出席。トラクターでの施工を見学した。

 江刺地区の水田は地下が粘土質で、遺跡が多いこともあり大規模な施工が難しく、ネギは10アール当たり2トンの県平均年収量を下回る圃場もあったという。圃場を実証に提供したプラウズ(同市江刺岩谷堂字雲南田)の菊地信吾代表取締役は「改善によりいくらかでも生産者が増えてくれれば」と願った。

 カットドレーンは82万~140万円ほどといい、県は農家間などでの共同使用を主に想定。一方で、本格的な暗渠排水の工費は10アール当たり24万~30万円が相場という。県南広域振興局の高橋文章農業振興課長は「水田をどう活用していくかは全国的な課題。穿孔暗渠の効果が認められれば、水田転作に高収益品目を導入しやすくなる」と語っていた。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2021年5月14日付
奥州・金ケ崎
2021年5月14日付
奥州・金ケ崎
2021年5月14日付
奥州・金ケ崎
2021年5月14日付