奥州・金ケ崎

伝統工芸楽しむロッジ 小川さんが空間デザイン 南部鉄器/岩谷堂箪笥 新たな調度品室内配置【奥州】

衣川ふるさと自然塾での「鉄と木を楽しむ」コンセプトロッジのお披露目。プロダクトデザインした小川さん(中央)と三品専務(右)、大瀬さん

 奥州市の魅力発信に取り組んでいる市地域おこし協力隊員の小川ちひろさん(34)は、同市衣川下大森の衣川ふるさと自然塾を活用し、伝統工芸の南部鉄器と岩谷堂箪笥(たんす)を組み合わせた「鉄と木を楽しむ」コンセプトロッジのプロダクトデザインを行った。30日に現地でお披露目会が開かれ、カッティングボード(まな板)やローテーブル、ラックなど新たな調度品を備えたロッジを公開。小川さんは「アウトドアファンに伝統工芸の魅力を楽しんでほしい空間」とアピールしている。

 東京都目黒区出身の小川さんは2018年5月に隊員として着任。台湾を中心とした海外に地域資源の情報を発信する「台湾向け交流促進コーディネーター」として活躍するとともに、同施設の活用にも取り組んできた。

 プロダクトデザインは施設活用について異業種で、自然豊かな環境でのアウトドア活動の道具として伝統工芸を生かせないかと意見交換する中で生まれた。

 「南部鉄器と岩谷堂箪笥を組み合わせたカッティングボードはどうか」との提案があり、その場に居合わせた岩谷堂タンス製作所の三品綾一郎専務、及源鋳造の大瀬悠太郎さんが快諾。鉄瓶のつるにナラ材の厚い板をつけた製品が生まれた。出来上がった製品を見て小川さんは「キャンプは鉄と木が近いもの。キャンプと遠い存在のような伝統工芸を楽しめれば、身近に感じてもらえるのではないか」という。

 「鉄と木」の組み合わせではカッティングボードのほか、鉄の調理器具を収めるラックを提案。さらに分割可能なローテーブル、木製のベッドを岩谷堂タンス製作所に依頼。両社が力を合わせて次々に製品が出来上がり、調度品をコテージの室内にしつらえた。

 お披露目会には市商工観光部の職員らが訪れ、小川さん、三品専務、大瀬さんの説明を聞き、新たな雰囲気を醸す内装に納得。佐賀俊憲部長は「良い企画ができた。市としてもコロナ後も見据えてPRに努めたい」と話した。

 小川さんは「施設を使った人たちに南部鉄器、岩谷堂箪笥に興味を持ってもらい、ショップを訪ねたり、南部鉄器や岩谷堂箪笥のファンがロッジを使ってみたりという新しい流れができるのではないか」と期待している。

 コンセプトロッジは6棟あるコテージのうち1棟で展開。予約に対応するといい、問い合わせは同施設=0197(52)6180=へ。

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