緻密な描写思い込め 小松原さんイラスト展 ボイス【北上】
奥州市胆沢若柳のイラストレーター小松原英さん(63)のワークス&オリジナルイラストレーション展「夢の途中2」は、北上市九年橋のギャラリーボイスで開かれている。さまざまな画材を使った手描き作品や2次元コンピューターグラフィックス(CG)など多彩な表現作品を展示し、イラスト画業の足跡をたどっている。5日まで。
小松原さんは岩谷堂高校3年時に本格的に絵を描き始めた。卒業後に上京し、フリーのイラストレーターとして35年ほど活躍。テレビ番組で使われるイラストレーションやヒット商品のパッケージイラスト、ゲームキャラクターなど手掛けた作品は多岐にわたる。
4年ほど前に帰郷し、現在は仕事と並行して金ケ崎町で児童生徒らを対象とした絵画教室「ガレット・パレット」を主宰している。
同ギャラリーで2度目となる同展では、アクリルやパステル、水彩、油彩、鉛筆、パソコンソフトなどで描いた額装約30点とプリント作品などを公開。図鑑の表紙に使用された迫力ある恐竜のイラストや、金ケ崎町民劇場のポスター図案の水彩画など緻密なタッチと、幻想的な色彩が目を引く。
海岸線を疾走するシェパードを描いた「LISA」は、足に障害がある犬の過去の写真を基に、海の風景を組み合わせた水彩作品。イラストを見た飼い主の涙が忘れられないという思い入れのある一枚で、小松原さんは「リサが実際に海辺を走ったことはなかったが、絵にすれば表現できる。時には写真よりも訴える力を出せるのがイラストの魅力。パソコンも使うが基本はアナログで、微妙な線の流れから着彩まで、人の手による表現の幅を見てもらいたい」と話している。
展示期間中、会場で新作の水彩画を仕上げるライブペイントも行う予定だ。
入場無料。午前10時から午後6時まで。問い合わせは同店=0197(63)8041=へ。